関西電力は料金を引き下げるために原子力発電所の再稼働を進める一方、サービスを増やして利用者のつなぎとめを図る。電気のトラブルを無料で解決する「でんきの駆けつけサービス」を4月に開始するほか、家庭内の水まわり・窓ガラス・玄関の鍵のトラブルに緊急で対応する「はぴe暮らしサポート」を月額100円で1月18日から提供する。
さらにインターネットを使った情報サービスの「はぴeみる電」のポイントプログラムを拡充する。サービスを利用することで「はぴeポイント」が貯まり、合計13社のポイントと交換できる(図4)。これまでは電力の使用量に応じたポイントの付与ができなかったが、自由化が始まる4月からは可能になる。
関西電力の管内では大阪ガスが電力とガスのセット割引を実施して顧客の獲得に乗り出している。現在のところ関西電力はガスや電話などを組み合わせたセット割引を発表していない。代わりにグループ会社のケイ・オプティコムが独自に「eo電気」の販売を4月に開始して、電力と通信サービスのセット割引を提供する。
eo電気の料金プランは極めてシンプルで、月額固定の基本料金は契約ごとに一律に設定した。さらに使用量に応じて課金する電力量料金の単価も一律である(図5)。使用量が多い家庭ほど毎月の料金が割安になる仕組みだ。月間の使用量が500kWh(キロワット時)の場合に、関西電力の「従量電灯A」と比べた料金の差は月額で445円、割引率は3%になる。
ただしケイ・オプティコムが提供する通信サービスの「eo光」を利用することが条件だ。eo電気を3月31日までに申し込むと「eo電気スタート割」を適用して、最初の12カ月間の電気料金から月額648円を割り引く。毎月の使用量が500kWhの場合に年間の割引額は合計で約1万3100円になる(図6)。
現時点では関西電力よりもケイ・オプティコムの料金プランのほうが魅力的に見える。関西電力のサービスエリアを中心にケイ・オプティコムのeo光の加入者数は150万を超えている。競合する大阪ガスは通信サービスを組み合わせたセット割引を実施していない。当面は関西電力とケイ・オプティコムの二人三脚で、大阪ガスの攻勢を食い止める構図になる。
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