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» 2016年02月25日 09時00分 公開

2016年度の買取価格が決まる、太陽光発電は非住宅用が24円、住宅用は31〜33円自然エネルギー(4/4 ページ)

[石田雅也スマートジャパン]
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メタン発酵ガスだけコストが下回る

 バイオマス発電は燃料の種類によって買取価格が違う。木質、廃棄物、メタン発酵ガスそれぞれで導入事例が増えてきたため、資本費や運転維持費の実績データをもとに買取価格を検証しやすくなってきた。

 木質バイオマス発電では間伐材などの未利用木材を燃料に利用する出力2000kW以上の発電設備が多い。初期の資本費は想定値と同等の水準ながら、稼働後の運転維持費は想定値を上回るケースが大半だ(図12)。

図12 木質バイオマス発電の資本費(上)と運転維持費(下)の分布。出典:資源エネルギー庁

 さらに木質バイオマス発電では廃棄物を利用する他の方式と比べて燃料費の割合が大きい。未利用木材が最も高価だが、現状では想定値に対して6割程度の低い水準に収まっている(図13)。ただし全国各地で木質バイオマス発電所が増えてきたことから、今後は想定値に近い水準まで上昇が見込まれる。当面は買取価格を据え置く可能性が大きい。

図13 木質バイオマス発電の燃料費の状況。出典:資源エネルギー庁

 木質バイオマス発電の大半は民間の事業者が手がけている。対して廃棄物発電は自治体がごみ処理施設で実施するケースが多く、民間の事業者による導入事例は少ない。現状では資本費と運転維持費ともに想定値を上回っている(図14)。こうした状態が続くようであれば、2017年度以降に買取価格の引き上げも考えられる。現在の廃棄物発電の買取価格は17円で、木質バイオマス(24〜40円)のほぼ半額の水準である。

図14 廃棄物発電の資本費(上)と運転維持費(下)の分布。出典:資源エネルギー庁

 バイオマスの中ではメタン発酵ガス発電の買取価格が39円で高く設定されている。下水汚泥などの廃棄物を発酵させてガス化する設備が必要で、資本費と運転維持費ともに他のバイオマス発電と比べて1ケタ多いコストがかかるためだ。しかし現在のところ実際の資本費と運転維持費は想定値を下回っている(図15)。廃棄物発電とは逆に今後は買取価格を引き下げる可能性がある。

図15 メタン発酵ガス発電の資本費(上)と運転維持費(下)の分布。出典:資源エネルギー庁

 次の2017年度には固定価格買取制度を改定することが決まっている。買取価格の決定方式も抜本的に変わる。非住宅用の太陽光ではメガソーラーなどの大規模な発電設備を対象に入札方式を導入する一方、住宅用の太陽光や風力には価格低減方式を採用する。そのほかの中小水力・地熱・バイオマスは数年先まで買取価格を設定する方式になる。再生可能エネルギーの導入量を左右する買取価格は今後も流動的だ。

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