2016年度は国内空調需要が盛り上がる、波に乗りたいメーカー各社の切り札省エネ機器(2/3 ページ)

» 2016年03月02日 09時00分 公開
[長町基スマートジャパン]

ZEB対応をアピールするダイキン工業

 ダイキン工業は、ビル用マルチエアコン「VRV X」シリーズなどを出展した。「VRV X」シリーズは2016年4月に、低負荷時の運転効率を向上し、年間の消費電力を大幅に削減したハイグレードモデルを発売する予定だ。新製品は冷媒回路の見直しによりさらに効率を向上させ、業界トップの省エネ性を達成した。

 デシカント方式の調湿外気処理機「DESICA」と組み合わせることで、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)を実現に貢献する大幅なエネルギー削減が見込めるという。また天井カセット形の室内ユニットでは、従来の気流方式を根本から見直した「アクティブ・サーキュレーション気流」を採用し、足元から暖かく快適な暖房を実現。さらに、輻射空調や床暖房などの風を感じない空調システムを簡単に導入したいというニーズに応え、冷温水を作り出す「冷温水ユニット」も新たに用意する。

三菱電機は空調管理者の支援機能を用意

 三菱電機は、ビル用マルチエアコン「グランマルチ」の冷媒量の点検簡易化と省エネ性向上を実現した新製品(2016年6月から順次発売)などを披露した。同製品はアルミ扁平熱交換器の採用や高効率圧縮機の搭載により、業界トップクラスの省エネ性を発揮するとともに、外気温度52℃まで冷房運転可能な同社ビル用マルチエアコンの最上位シリーズだ(図2)。

図2 三菱電機のグランマルチ(クリックで拡大)

 冷媒量の変化を簡易検査して検査情報を表示する「冷媒量点検サポート機能」を新しく搭載。また、冷媒量点検の簡易化により、空調設備の管理者の簡易点検における冷媒漏えいの判断を支援する。さらに従来別売の「自動省エネ制御(E制御ライセンス)」を標準搭載したほか、「自動冷媒温度制御(ET 制御)」「サーモOFF時室内ファン停止制御」「アドバンストパワーセーブ運転」などの制御により、省エネ性を向上している。

日立は280型でトップクラスの省エネ性能をアピール

 日立ジョンソンコントロールズ空調は、2016年4月からラインアップに加えるビル用マルチエアコン「FLEXMULTI(フレックスマルチ)」の冷暖切換型(高効率タイプ)などを出品した。同製品は低負荷運転時の運転効率を大幅に向上し、280型で業界トップクラスの省エネ性能のAPF2015(6.3)を達成した。また、従来の17機種(140〜1000型)に9機種(1060〜1500 型)を加えて全26機種とし、ラインアップの拡充を図っている。

 さらに、単体ユニットの容量を大きくすることにより、室外ユニットの設置スペースを400型の場合、約44%低減(同社現行機比)でき、設置面積の省スペース化が可能だ。

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