スカイロボットは「第7回 太陽光発電システム施工展」(2016年3月2〜4日、東京ビッグサイト)で、同社のドローン(無人飛行機)を活用した太陽光発電設備のメンテンナンスシステムを展示した。今後長期にわたって設備メンテナンスに取り組む必要がある国内の太陽光発電事業者などに向け、2016年4月から本格的に販売を開始する。
スカイロボットは2014年9月に創業した日本のベンチャー企業。同社の提供するドローンは台湾のドローンメーカーであるDJIの機体をベースに、太陽光発電設備のメンテンテナンスに特化した独自機能を加えているのが大きな特徴だ。
「SKYSCAN PRO」(図1)はFLIR社製の赤外線カメラとフルHDビデオカメラを搭載。発電設備の上空に飛ばすことでサーモグラフィーとHDカメラ映像の2つを活用しながら、太陽光パネルの熱異常や汚れ、損傷などを確認できる。サーモグラフィー映像から異常を判断する解析ソフトウェアも提供する。ドローンにはGPSが搭載されており、この位置情報を活用して発見した故障箇所にドローンから発射した塗料でマーキングを行う機能や自動飛行制御プログラム、落下時の損傷を軽減するパラシュート機能なども備える。
上空から撮影した映像は地上に設置する「グラウンドステーション」(図2)で、サーモグラフィー映像/HDカメラ映像の両方をリアルタイムに確認可能だ。SKYSCAN PROを利用したメンテンナンス作業を行う場合、操縦士とグラウンドステーションで映像を確認する2人で行うことになる。2人で5日間かかるメガソーラーの点検作業の場合、SKYSCAN PROを活用すれば約半日で行えるという。
発電事業者やメンテナンス事業者が実際にSKYSCAN PROを導入するためには、ドローンの操縦方法をはじめ、探査方法、サーモグラフィーを活用した解析など、最初にさまざまなスキルを習得する必要がある。そのため現時点でSKYSCAN PROの提供時期などは未定だ。そこでスカイロボットでは、ハイグレードモデルであるSKYSCAN PROに先行してより操縦しやすいエントリーグレードのドローン「SKYSCAN Begins」から提供していく。
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