一方で、電力小売全面自由化が発電事業者における再生可能エネルギーの位置付けにもプラスになると主張するのが、FoE Japanの吉田氏やLooopの小嶋氏、スマートテックの岡野氏である。
FoE Japanの吉田氏は「電力小売自由化により、一般消費者もどの電力事業者から電気を買うのかという選択肢が生まれることになる。小売電気事業者がどういう電力を調達しているのかというのを見て、再生可能エネルギーによる比率が高い電力会社を選ぶこともできる。消費者がより多くこうした電力会社から電力を購入することで、電力会社の対応や社会の環境を変えていけるかもしれない可能性が出てきた」とポジティブな影響について紹介する。
また、同様にスマートテックの岡野氏も「電力小売全面自由化は小売事業者間の競争の始まりに見えるが、実は発電事業者が競争する時代に入ったことも示している。より多く売る小売事業者により付加価値のある電力を買ってもらうということが必要になる。その1つとして再生可能エネルギーによる電力は使える」と語っている。
さらにLooopの小嶋氏も「従来、当社で太陽光発電設備を販売してきても、購入者はFITで売電することだけでそれ以上は考えていない様子だった。小売全面自由化により、自分が発電した電力がその後誰に買い取られ、どういうところに流れていくのかということを考えるようになる。発電側の意識が高くなる効果がある」と強調している(図2)。
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