横浜に新たなスマートシティが2018年に誕生、街全体で電力を融通スマートシティ(1/3 ページ)

横浜市で先進的なスマートシティの開発が進んでいる。港北区綱島地区にあるパナソニックの事業所跡地を活用し、Tsunashima サスティナブル・スマートタウン」としてパナソニック、横浜市、野村不動産、東京ガス、米Apple社など10団体が参画して開発を進める。マンション、商業施設の他、米Apple社の研究開発施設も建設する。再生可能エネルギーや水素などの利用率を30%まで高める他、IT技術を活用したサービスも提供していく計画だ。

» 2016年03月29日 07時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

 パナソニック、野村不動産、横浜市が2015年3月から取り組んでいるスマートシティプロジェクト「Tsunashima サスティナブル・スマートタウン」(以下、綱島SST)の詳細が明らかになった。これは2018年の街開きを目標に、横浜市港北区綱島地区にあるパナソニックの工場跡地を活用し、次世代エネルギーシステムの導入をはじめ、さまざまな先進技術の導入による都市型スマートシティの構築を目指すプロジェクトだ(図1)。

図1 綱島SSTの完成イメージ 出典:パナソニック

 開発を進めるのはパナソニック、野村不動産の2社を主幹事とする合計10団体と横浜市が参画する「Tsunashima SST 協議会」(図2)。同協議会はこのほど綱島SSTの開発計画として「まちづくり構想書」を策定し、パナソニックと野村不動産が2016年3月28日に東京都内で開いた共同記者会見でその内容が説明された。

図2 「Tsunashima SST 協議会」の参画団体(クリックで拡大) 出典:パナソニック

 綱島SSTの開発地であるパナソニック(当時の松下電器工業)の工場跡地は、横浜市内の主要幹線道路である県道2号線(通称:綱島街道)と市道箕輪258号線に面したエリアにある。近くには東急電鉄東横線の「綱島駅」があり、さらに2022年に同線と相模鉄道の直通線の開通に伴う新駅として「新綱島駅」の開設が計画されている(注1)。こうした交通インフラの整備に伴い、積極的な再開発プロジェクトが進んでいるエリアだ(図3)。

 なお、パナソニックが自社の遊休地をスマートシティの構築に活用するのは、神奈川県藤沢市の「Fujisawa SST」につづいて2箇所目となる。

図3 綱島SSTの建設予定地 出典:パナソニック

 敷地面積は3万7900平方メートル。この敷地を4つのエリアに分けて集合住宅、米Appleの技術開発センター、大型商業施設、そしてこれら綱島SST全体を管理するタウンマネジメント施設を設置する(図4)。2018年の街開きに向けて一部の施設では着工が進んでいる。

図4 綱島SST内は4つのエリアに分割される 出典:パナソニック

注1)掲載当初、新綱島駅の開設は2019年を予定と記載していましたが、2016年8月末に同計画が変更になったことに合わせ、2022年に訂正いたしました(2016年8月29日)

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