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» 2016年05月06日 09時00分 公開

太陽光発電の出力制御が頻繁に発生、種子島で早くも今年10回目電力供給サービス(2/3 ページ)

[石田雅也,スマートジャパン]

確かに供給力が過剰になる状況だった

 種子島には九州電力が運営する9台の内燃力発電設備があり、合計で最大4万500kWの電力を供給できる(図4)。一方で太陽光発電設備は規模の大きい高圧(50kW以上)と小さい低圧(50kW未満)を合わせて約1万1000kWにのぼる。このほかに島内には風力発電設備もあるが、当日は補修のため運転を停止していた。

図4 種子島の発電設備。出典:電力広域的運営推進機関

 昼間に太陽光発電の出力が増大した場合には、内燃力発電の出力を引き下げて供給力を抑える。引き下げが可能な量を「下げ代(さげしろ)」と呼んでいるが、3月20日は13時に下げ代が最小になる予測だった。下げ代よりも多くの電力が余る場合には、太陽光発電の出力を制御するルールになっている。

 内燃力発電設備は需給バランスを調整するために出力を刻々と変動させる必要がある。安定した状態で運転を続けるには最大出力の50%以上を維持することが望ましい。九州電力は出力が大きい6000kWの発電設備2台と4500kWの発電設備1台を運転する方法を選択した(図5)。

図5 3月20日の供給力の想定。出典:電力広域的運営推進機関

 太陽光発電の出力が天候の悪化によって少なくなった場合でも、内燃力発電で供給力を補う。同時に太陽光発電の出力が最大になっても内燃力発電の下げ代で対応しなくてはならない。3月20日には太陽光発電の出力が最大になると、内燃力発電の下げ代を最大限に活用しても1940kWの電力が余ることが予想された。

 九州電力は種子島にある太陽光発電設備3カ所(合計2544kW)に対して、3月20日に出力を制御するよう前日の夕方に指示を出した。出力を制御する時間帯は朝9時から夕方16時までの7時間だ(図6)。この間に発電できない電力量に対する補償はなく、発電事業者は売電収入を逸失することになる。

図6 時間ごとの需要と供給力の想定。出典:電力広域的運営推進機関

 実際に当日の需給状況はどうだったのか。九州電力が広域機関に報告した内容によると3月20日の13時の需要は1万5075kWだった(図7)。想定の1万5200kWよりも125kW少ないだけで、かなり正確に予測できていた。一方で太陽光発電の出力は7055kWに収まり、想定の8890kWよりも1835kW少なくなっている。

図7 出力制御を実施した日の需要と供給力の実績。出典:電力広域的運営推進機関

 もし太陽光発電設備に対して1940kWの出力制御を実施していなければ、供給力が需要を大幅に上回る状況になっていた。しかも九州電力は内燃力発電設備の出力を最小値の8250kWから、さらに230kW引き下げて需給バランスを調整している。

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