2020年に市場規模は半減、主要な再生可能エネルギー関連市場の展望自然エネルギー(1/2 ページ)

調査会社の富士経済が再生可能エネルギー関連システムの市場調査結果をまとめた。2016年度の市場規模は3兆円を超える見込みだ。一方、太陽光発電市場の縮小などにより、2020年度に市場規模は約半分まで縮小すると予測している。一方、蓄電池などのポストFIT市場を見据えた製品市場は拡大する見込みだ。

» 2016年09月16日 11時00分 公開
[陰山遼将スマートジャパン]

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 富士経済は2016年9月14日、国内の再生可能エネルギー発電システム市場の調査結果を発表した。再生可能エネルギーの固定買取制度(FIT)の開始で普及が進む太陽光、風力、水力、バイオマス、地熱発電の5つについて、発電設備と関連サービスも含めた今後の市場規模の推移を予測している。

 5つの市場を合わせた2016年度の合計市場規模は3兆3065億円と見込んでいる。一方、2020年度までにこの市場規模は1兆7124億円まで縮小すると予測した(図1)。これは2015年度比で約半分の規模である。

図1 再生可能エネルギー関連市場の推移 出典:富士経済

 市場の縮小に大きく影響するのが2014年度をピークに、マイナス成長が続く太陽光発電システム市場である。2016年度の太陽光発電市場は2兆2733億円と全体の約7割を占めている。直近では2017年4月から始まる改正FIT法に向け、大型特別高圧案件を中心とした駆け込み着工が発生しており、2018年頃までこうした案件の完成が続く見込みだ。しかしこうした売電事業用の高圧、特別高圧案件の大幅な減少が影響し、2020年度の太陽光発電システム市場は2015年度比64.7%減の1兆583億円規模になると予測した。

 一方、風力発電システム市場は、中大型の陸上風力発電システムの運転開始や、大規模な洋上風力発電所が複数計画されているなど、今後の市場拡大が期待される。2016年度の市場規模は1003億円を見込んでおり、2020年度には2倍以上の2171億円まで成長すると予測した。

 水力発電システムは中小水力発電領域を中心に2017年度まで市場が拡大し、その後は安定して推移する見込みだ。2016年度の市場規模は3202億円で、2020年度は微減の3127億円という予測である。バイオマス発電システムは2016〜2018年度にかけて大型案件が計画されている影響で市場規模の拡大が期待できるものの、その後2020年度に向けては縮小すると予測した。

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