ゴルフ場の跡地で1万2000世帯分の電力、コンテナ型の変電システムを生かす蓄電・発電機器(1/2 ページ)

茨城県の水戸市にある広大なゴルフ場の跡地に巨大なメガソーラーが誕生した。42万平方メートルの跡地を利用して発電能力は36MWに達する。太陽光発電の導入量が全国一の茨城県内でも最大の規模だ。発電した電力を集約・変換する設備には耐久性の高いコンテナ型を導入した。

» 2016年11月07日 11時00分 公開
[石田雅也スマートジャパン]

 水戸市にメガソーラーを建設したのは独立系の日本再生可能エネルギー(NRE)で、11月1日に「NRE水戸太陽光発電所」の商業運転を開始した。広さが42万平方メートルに及ぶゴルフ場に展開する巨大なメガソーラーである(図1)。

図1 「NRE水戸太陽光発電所」の全景。出典:日本再生可能エネルギー

 発電能力は36MW(メガワット)に達して、茨城県内で最大の太陽光発電所になった。年間の発電量は4342万kWh(キロワット時)を見込んでいる。一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算して1万2000世帯分に相当する。県庁所在地の水戸市で総世帯数(12万世帯)の1割をカバーする電力を供給できる。

 このメガソーラーの運転開始に合わせて、NREは世界各国でエネルギー管理システムを供給するシュナイダーエレクトリック社と提携した。シュナイダーが提供するコンテナ型の変電システム「PVボックス」などを日本国内のメガソーラーに導入していく(図2)。

図2 コンテナ型の変電システム「PVボックス」の外観。出典:シュナイダーエレクトリック

 すでに水戸市のほかに兵庫県の山南町で稼働中のメガソーラーなど5カ所にコンテナ型の変電システムを採用した(図3)。さらに建設中のメガソーラーを含めて合計17カ所にコンテナ型の変電システムを導入する予定だ。NREは全国9県にわたって510MWにのぼる太陽光発電所の展開計画を進めている。

図3 「NRE山南太陽光発電所」に設置したコンテナ型の変電システム(右)。出典:日本再生可能エネルギー
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.