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» 2017年01月05日 09時00分 公開

3分で分かるこれからの電力業界(4):電力×新規事業開発――大手異業種企業の新規参入 (3/3)

[江田健二,スマートジャパン]
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鉄道会社初! の新電力「東急パワーサプライ」

 東京に住む人だけでなく、神奈川県在住の人の多くが通勤・通学で利用している東急線(東京急行電鉄)。その東急電鉄を中核企業とした224社8法人で構成する「東急グループ」から生まれた新電力事業会社が「東急パワーサプライ」です。東急電鉄100%出資による会社であり、“鉄道会社として初”の新電力会社ということになります。

 同社による電気サービス「東急でんき」の特徴は、一言で言えば「東急線沿線に住んでいる人にとって嬉しいお得なサービス」を数多く提供していることです。電気サービスと他の東急グループの各種商品・サービスとを連携させながら、東急線沿線エリアに特化した事業展開を行っています。

 同社が提供する具体的なサービス(特典)は以下の通りです。

  • 電気料金を「TOKYU CARD」で支払うとポイントが貯まる
  • 「イッツコム」「ケーブルテレビ品川」のサービス利用料が割引になる
  • 東急線のPASMO定期券購入やオートチャージでポイントが貯まる

 電車、電気、テレビ、といった生活に密着したサービスを東急グループにまとめることでメリットが高まるというわけです。

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 また同社は企業スローガンとして、「新しい生活体験を、エネルギーとともに」を掲げています。住宅や都市開発、街づくり、環境整備などにも力を注いできた東急グループならではの発想や実績、ビジネス基盤を生かし、生活者の視点に立ってエネルギーと暮らしの新しい関係を考え、創り出していこうという考え方です。

会社選びのチェックポイント

 新規参入の異業種企業は、当然ながらその業種が多岐にわたります。先に述べたように、これら大手企業は本業(既存事業)と組み合わせた電力プランを中心に新規事業開発を行っています。ですから、就職または転職を希望する場合、まずはその会社の本業(既存事業)についてしっかりと勉強し、既存事業と電力事業をどのように組み合わせてマーケティングしているのかをきちんと理解しましょう。その上で、自分に合った会社はどこか、自分の経験やスキルを生かせる会社はどこか、といった視点で会社選びをすることが重要です。

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本稿は『3時間でわかるこれからの電力業界 ―マーケティング編― 5つのトレンドワードで見る電力ビジネスの未来』(江田健二 /一般社団法人エネルギー情報センター 著)からの転載です(アイティメディアの表記ルールに基づいて原本から表記を一部変更しています)。

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著者:江田健二氏
「環境・エネルギーに関する情報を客観的にわかりやすく広くつたえること」「デジタルテクノロジーと環境・エネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること」を目的に執筆/講演活動などを実施。 富山県砺波市出身。慶應義塾大学経済学部卒業。 アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア株式会社)に入社。 エネルギー/化学産業本部に所属し、電力会社のCRMプロジェクト、大手化学メーカーのSCMプロジェクトなどに参画。その後起業、環境・エネルギービジネスの推進や企業のCSR活動を支援している。 RAUL株式会社 代表取締役、一般社団法人エネルギー情報センター理事、一般社団法人エコマート運営委員。

一般社団法人エネルギー情報センター
エネルギーに関する正しい情報を客観的に分かりやすく広くつたえること、ITとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造することを目的に設立、運営。多くの人・組織が共に学び、考え、協力していく『場』となるプラットフォームを提供していきます。
URL http://eic-jp.org/


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