太陽光発電所の“履歴書”を持っていますか?:太陽光発電のトラブル対策(8)(2/2 ページ)
今後、太陽光発電のリセール市場(中古発電所の転売)が拡大するといわれているが、購入検討する際には売電単価や過去の発電実績だけではなく、
- 地質調査(資料がない場合)
- 電気的設計の確認
- 現環境を反映した再シミュレーション(収支の再予測)
- 設備及び施工品質検査(再竣工検査)
などは投資をより確実にするための、必須条件と考えている。
発電所売買の一例 出典:アドラーソーラーワークス
中古発電所を購入する利点は、既に稼働している状況をさまざまな角度から確認できることにある。発電実績データ、また正しいO&Mが行われていれば監視装置の稼働データ、定期点検結果や消耗品・不具合部品交換履歴などは、正に“発電所の履歴書”であり、リスク分析を有利にする。
テクニカル(技術的)デューデリジェンズは、太陽光発電所の品質を確認し、今はまだ顕在化されていない問題を認識するための最低限のプロセスである。利回りの健全性を担保するのは、収支シミュレーションだけでは不十分であることを、ぜひ覚えておいてほしい。
- 太陽光発電の安全対策を強化、設計施工の標準仕様を策定へ
経済産業省は太陽光発電所の安全対策の強化に向け、設計および施工の標準仕様を策定する方針だ。2017年3月21日に開催された第15回 電力安全小委員会では、その骨子が示された。
- 太陽光パネルの飛散が問題に、2019年に設計ガイドライン策定へ
太陽光発電所の運営時に注意したい点の1つが、強風などによるパネルの飛散だ。台風シーズンを前に、経済産業省は再点検を行うよう注意を喚起している。その一方で、耐風性能の指針となる設計ガイドラインの策定に向けた動きも進み始めた。NEDOのプロジェクトとして耐風性能の検証を行い、2019年に設計ガイドラインが公表される予定だ。
- O&M事業者が知っておかないとマズイ「改正FIT法」のポイント
2016年5月に成立した「改正FIT法」。買い取り価格以外にも、太陽光発電事業者に影響が生じてきます。経済産業省で検討されているガイドラインや認定制度設定、また違反時の認定取り消しの可能性などが注目されます(本記事は「O&M Japan」からの転載記事です)。
- 太陽光発電の運用保守、低圧向け新ガイドラインが公開
太陽光発電協会(JPEA)と日本電機工業会(JEMA)は2016年12月28日、「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」を公開した。2017年4月から施行される改正FIT法などの動きに対応するもので、直流1500V(ボルト)以下の太陽光発電システムを対象とした技術資料となっている。
- 続々登場する「太陽光発電向けガイドライン」、抑えておくべきポイント
先ごろ新たに『太陽光発電システム保守点検ガイドライン』が公表されましたが、O&Mに関わるガイドラインの整備はまだ完全とは言えません。ガイドライン整備の現状と課題、今後の新ガイドライン公表予定をお知らせします(本記事は「O&M Japan」からの転載記事です)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.