北陸電力、水力発電の出力を変更 年間1.32億kWhの増加自然エネルギー

北陸電力は、東町発電所(岐阜県飛騨市)と尾口発電所(石川県白山市)の2つの水力発電所出力を計800kW増加した。発電電力量が2007年度対比で、年間約1.32億kWhの増加となったという。

» 2017年05月16日 13時00分 公開
[庄司智昭スマートジャパン]

2007年度対比で年間約1.32億kWhの増加

 北陸電力は、東町発電所(岐阜県飛騨市)と尾口発電所(石川県白山市)の水力発電所出力を計800kW増加した。電気事業法の規定に基づき、2017年4月に「発電事業変更届出書」を経済産業大臣に届け出したと発表している。

 同社は電源の低炭素化の取組みの1つとして、水力発電電力量の拡大を目指し、既設設備の改修などに取組んでいる。今回、富山県を流れる神通川(じんづうがわ)水系の東町発電所、石川県の手取川(てどりがわ)水系の尾口発電所で、水車の羽根車の取り換えに伴う性能確認試験を行った。その結果、発電所出力を東町発電所で600kW、尾口発電所で200kW増加できることを確認したことから、出力の変更を行った。

東町発電所(左)と尾口発電所(右)の全景(クリックで拡大) 出典:北陸発電所

 東町発電所は1942年4月に運転開始。立軸単輪単流渦巻フランシス水車を2台、立軸三相交流同期発電機をの設備をそろえている。最大出力は出力変更後で3万2800kW(キロワット)。増加した年間発電量は約260万kWh(キロワット時)、一般家庭約830世帯の年間使用電力量に相当する。CO2排出量削減効果は、年間約1520トンとしている。

 尾口発電所は1938年12月運転開始した。横軸単輪単流渦巻フランシス水車(1・2号)、横軸単輪二射ペルトン水車(3号)、横軸三相交流同期発電機の設備をそろえている。最大出力を出力変更後で1万8300kW。増加した年間発電量約70万kWh、一般家庭約220世帯の年間使用電力量に相当する。CO2排出量削減効果は、年間約410トンとした。

 出力変更により、発電電力量は2007年度対比で年間約1.32億kWhの増加。北陸電力では2025年度までに、2007年度比で年間2.4億kWhを目標として掲げている。

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