三菱ふそうトラック・バスは2017年12月14日、同社製の量産電気トラック「eCanter」を、欧州市場の顧客へ初めて納車したと発表した。北米、日本市場に続く投入となり、計14台を納車する。
三菱ふそうトラック・バスは2017年12月14日、ドイツベルリン市において、量産電気トラックとしては世界初となる同社製「eCanter」を欧州の顧客へ初めて納車したと発表した。北米、日本に続く欧州市場への投入となり、計14台のeCanterを複数の顧客へ納車した。
DHL社、DBシェンカー社、レーノス社およびダクサ社といった大手物流会社が、eCanterの欧州における初めての顧客となった。ベルリンに所在する顧客へは、ダイムラーグループのリース会社であるチャーターウェイ社を通じて、長期リースにより車両を提供する。
物流業界では多種類のトラックが多様な業務に用いられており、各業務によって車両に求められる仕様も異なる。三菱ふそうトラック・バスは、eCanterが特に都市内配送業において地球に優しい輸送を担うことができると見込んでおり、従来のディーゼル車で行っていた業務と同じ条件で使用できるという。また、eCanterのドライバーに車両操作方法のトレーニングも提供し、従来トラックからの移行をサポートする。
今回発表した車両は、車両総重量7.5トンクラスの小型トラック。1.5時間の直流急速充電もしくは11時間の交流200V充電により、100km以上の航続距離を確保する。最大出力129kW(連続定格115kWh)、最大トルク420Nm(連続定格285Nm)を発揮するモーターと、82.8kWhの容量を持つ360V高電圧リチウムイオンバッテリーを電気駆動システムとして採用した。これにより同社は、従来のディーゼルエンジントラックと比較して、走行1万kmあたり最大1000ユーロのコスト削減が可能になると試算する。
業務用車両に求められる信頼性について、同社社長のマーク・リストセーヤ氏はプレスリリースで「9万km以上にわたる走行試験は、顧客へ提供するeCanterが信頼性と経済性に優れていることを保障する」と述べる。現在、eCanterは日本市場ではセブン-イレブン・ジャパンなど、北米市場ではUPS社などへの納入が発表されており、一般顧客向けの量産については2019年から開始するとしている。
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