横浜にスマートシティがオープン、街と地域が一体でSDGsを目指すスマートシティ(2/3 ページ)

» 2018年03月28日 07時00分 公開
[松本貴志スマートジャパン]

街を彩るさまざまな施設

 商業施設は、ユニーが運営する「アピタテラス横浜綱島」が出店。同店では環境に配慮した次世代型ショッピングセンターとして、人物特徴の検知機能を持つ防犯カメラによる警備・店舗マーケティングや、多言語自動翻訳システム、ヒートポンプを用いたハイブリッド空調など先端技術を活用している。さらに、イベントなどが開催可能な広場や集会室を備えることで地域コミュニティーの交流の場を創出するという。

 慶応義塾大学国際学生寮の1階は「タウンマネジメントセンター」となり、街の維持管理や災害支援の他、街に関わる企業・住民・自治体などのステークホルダーがイノベーションを創出するための拠点「イノベーションスタジオ」や「エクスチェンジスタジオ」として整備した。同センターには総合警備保障(ALSOK)の警備員が常駐する警備拠点も設け、タウン内の異常時には現場へ15分以内に駆け付けを行うとする。

綱島SSTの施設配置(クリックで拡大)

スマートなサービスの立役者「SCIM」

 同プロジェクトでは、街に住む人や訪れる人に対して、エネルギー・セキュリティ・モビリティ・ウェルネス・コミュニティ・ファシリティといった分野で、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)を活用したスマートなサービスを提供する。

 このスマートなサービスを提供するにあたって、大きな役割を果たしているのが街の運用プラットフォーム「SCIM(Smart City Information Modeling)」だ。SCIMは綱島SST建設を担当した大手ゼネコンの大林組が開発した技術で、街にある構造物の3次元設計(BIM:Building Information Modeling)情報を、街の見える化に役立てるもので綱島SSTが適用初事例となる。

SCIMの概要(クリックで拡大)

 このSCIMによって、街全体でのエネルギーフローや、街の各所に設置された温湿度・花粉量・PM2.5・通行人の動きなどを計測するセンサーから得られるデータなど、街に関するあらゆる情報を街の3次元モデル上に合わせて可視化。街に関連するステークホルダーに分かりやすく情報を共有し、これからの街づくりに生かすことができるとしている。

SCIMの活用例(クリックで拡大)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.