中国LONGi Solarは120セルのハーフカット単結晶PERCモジュールを開発し、1枚当たりの最大出力で360W超えを達成。同モジュールの出力では世界新記録になるという。
中国の大手太陽光パネルメーカーであるLONGi Solarは2018年4月25日、同社が開発した120セルのハーフカット単結晶PERC(Passivated Emitter and Rear Cell)モジュールが、1枚当たりの最大出力で360W(ワット)超えを達成したと発表した。ドイツの認証機関TUV SUD(テュフズード)が認証し、120セルのハーフカット単結晶PERCモジュールの出力では世界新記録になるという。
開発した120セルのハーフカット単結晶PERCモジュールの平均的なセル効率は22%、初年度の劣化は2%以下、年間0.55%未満で安定化するとしている。加えて、PERCは低照度条件下での発電性能の向上が実証されており、ハーフカットセルにしたことでホットスポットへの耐性も改善したとする。
PERCは太陽電池セル裏面のシリコンとアルミニウム電極界面で起こる再結合によるエネルギー損失を、誘電体層(パッシベーション層)を導入することで低減する構造。結晶シリコン太陽電池のセルを改善する手法の1つとして、採用が広がっている。
LONGi Solarによると、PERCは中国の太陽光発電普及施策「トップランナー・プログラム」において、中心的な技術ポイントに位置づけられており、2020年までに年間生産能力65GW(ギガワット)、出荷の約40%を占めるという予測もあるという。
現在同社は太陽光パネル生産ラインの改良に取り組んでおり、2018年内に量産製品のPERCへの移行を完了する見込み。その後、段階的に世界記録を達成した単結晶製品の量産体制に入る計画としている。なお、同社は2018年2月に単結晶PERCセルの変換効率でも、世界新記録となる23.6%の達成を発表している。
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