ため池に太陽光パネルが浮かぶ水上メガソーラー、680世帯分を発電太陽光

日本アジア投資が香川県さぬき市のため池に建設を進めていた水上メガソーラーが完成。出力は2.4MWで、一般家庭約680世帯分の使用電力量に相当する発電量を見込んでいる。

» 2018年08月24日 14時30分 公開
[スマートジャパン]

 日本アジア投資(東京都千代田区)が地元パートナーと共同で香川県さぬき市の東王田池で開発を進めていた、水上メガソーラー発電所「東王田池ソーラー発電所」が2018年7月に売電を開始した。

「東王田池ソーラー発電所」の外観 出典:日本アジア投資

 今回の案件は、同社とって4件目となる水上メガソーラー発電所で、2017年に売電を開始した2カ所の水上発電所、および2018年4月に売電を開始した隣接する「中王田池ソーラー発電所」に続くもの。プロジェクト総額は約8.6億円で、このうち約80%を金融機関からのプロジェクトファイナンスにより調達している。

 最大出力は2.4MW(メガワット)で、年間発電量は一般家庭約680世帯分の使用電力量に相当する約301万kWh(キロワット時)を見込む。売電先は四国電力で、FIT価格は36円/kWh(税別)となっている。

 水上メガソーラー発電所には、地上に建設する発電所に比べ、複数のメリットがある。例えば、建設に適した用地が限られて来ている近年において、「ため池」という周辺に遮蔽(しゃへい)物が少なく日照条件の良好な場所に建設できることや、パネルの設置面を平たんにするための造成工事が不要なこと、さらに、ため池水面による冷却効果でパネルやケーブル類の過剰な温度上昇が抑制され、発電効率が良いとされること、などが挙げられる。今回の発電所も、これらの特徴を生かして高い発電効率を見込んでいる。

 現在同社は、再生可能エネルギーの買取価格の低下に対応するため、低コストの開発手法を研究している。フロート式水上メガソーラーについては、その有力な手法の一つとして期待しており、今後とも案件の発掘に取り組む方針だ。

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