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» 2018年10月15日 07時00分 公開

電気自動車:EVを走る蓄電池として活用、再生可能エネルギーの出力変動の吸収に

東北電力などが電気自動車(EV)の蓄電池を、再生可能エネルギーの出力変動調整に活用する実証をスタート。

[スマートジャパン]

 東北電力、日産自動車、三井物産および三菱地所の4社は、電気自動車(EV)の蓄電池を活用し、蓄電池を電力系統に接続して充放電する「V2G(Vehicle to Grid)」の共同実証を開始した。

 将来的に普及拡大が見込まれているEVは、移動手段としての利用だけでなく、電気を貯めて取り出せる蓄電池としての利用も始まっている。今回のプロジェクトでは、このEVの蓄電池機能に着目し、自然条件により出力が変動する再生可能エネルギーのさらなる導入拡大に対応するため、EVの電力需給バランス調整機能としての実現可能性を検証する。

 さらに今後のEVの普及を見据え、移動手段としての利便性を損ねることなく、駐車時にも付加価値を生み出す新たなビジネスモデルの検討などを実施する。

V2GとEVを需給調整に活用するイメージ 出典:東北電力

 具体的には、仙台ロイヤルパークホテル(宮城県仙台市)の駐車場に設置する充放電スタンド2台と、EV(日産自動車新型リーフ、蓄電池容量40kWh)2台を使用し、新たに開発する遠隔監視・制御システム(1台)により、スタンドに接続されたEVの蓄電池の充放電を制御することで、EVの蓄電池が電力需給バランスの調整機能として活用できるか検証する予定だ。

 さらに、2019年3月31日までの実証期間中、EVの充放電を伴う試験を実施しない日は、EVをホテルの宿泊者などにカーシェアリング車両として提供する。V2Gの実証試験とカーシェアリング事業を通じて得られた蓄電池の使用状況やEVの利用状況などのデータは、新たなビジネスモデルやサービスを開発するための検討に活用する予定だ。

実証のイメージ 出典:東北電力

 このプロジェクトで、東北電力はEV充放電スタンドの遠隔監視・制御システムの構築および、将来のV2Gシステムの在り方の検討、EVの蓄電池の充放電が電力系統にもたらす影響の評価を行う。

 日産自動車はEVの蓄電池残量や走行データなどの収集・分析、カーシェアリング事業の運営を担当する。三井物産は、EV充放電スタンドの設置・運営、EVの電力系統向け需給調整サービスなどへの活用可能性の検討を行う。三菱地所は実証場所を提供するほか、EVのホテルや商業施設などにおける活用可能性を検討する。

 なお、東北電力は、2018年5月30日から経済産業省資源エネルギー庁の補助事業「平成30年度需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント構築実証事業(V2Gアグリゲーター事業)」を開始しており、今回のV2G実証プロジェクトは同補助事業の一環として取り組んでいる。

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