九州電力が天候に左右されずに植物を栽培できる植物工場の事業化検討を開始。レタスなどの野菜栽培だけでなく、バーチャルパワープラント(VPP、仮想発電所)のリソースとしての利用や、再エネ電源との組み合せによる低環境負荷のレタス提供なども検討するという。
九州電力は2019年9月25日、九電工、東京センチュリー、スプレッドの3社と、植物工場の事業化に向けた検討を開始について合意したと発表した。同社の豊前発電所遊休地(福岡県豊前市)に建設を予定しており、レタスなどの栽培だけでなく、バーチャルパワープラント(VPP、仮想発電所)のリソースとしての利用など、エネルギー分野での活用も検討するという。
植物工場とは、外部と遮断された建物内でLEDと養液を用い、レタスなどの植物を栽培する施設のこと。年間を通じて天候に左右されずに栽培が可能なため、次世代の栽培システムとして注目されている。
今回九州電力が検討する植物工場では、2006年から植物工場事業を展開しているスプレッドのノウハウを活用した次世代型農業生産システムを導入し、高度な栽培管理と大幅な栽培自動化を実現できるとしている。植物はレタスを栽培する計画で、生産能力日産5トンを計画。九州電力によると、これは世界最大級という。
植物工場は大型の空調システムや、各種の照明設備を利用するため、電力需要が大きい。そのため、九州電力では建設する植物工場を、VPPリソースとして活用する他、再エネ電源との組み合せによる低環境負荷のレタス提供など、付加価値創出についても検討するとしている。
既に計画地の適正性や市場調査などの基礎調査は完了しており、今後は2020年3月までをめどに事業性評価などの検討を行い、その後事業化判断を行う予定だ。
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