開発したバイポーラ型蓄電池の充放電電流は、電池の満充電と全放電をそれぞれ5時間で終えられる0.2CAとなっている。これは再生可能エネルギー電源の出力変動対策としてよく利用される、ピークシフト制御などへの対応を想定したものだ。
再生可能エネルギーの出力変動対策など、電力系統向けの蓄電池では、大型のリチウムイオン電池や、NAS電池、レドックスフロー電池などの実用化が進んでいる。今回開発したバイポーラ型蓄電池はこれらの電池と比較した場合、鉛バッテリーと同じリサイクルプロセスを適用可能である点や、蓄電システムとしてのトータルコストで見ればリチウムイオン電池の2分の1で済むといった優位性があるという。
リチウムイオン電池と比較してコストを半減できる根拠としては、システム構築時にリチウムイオン電池で必要となる離隔距離が不要であり、設置面積当たりのエネルギー量を高められるといった点や、排熱対策用の空調システムが簡略化できるためとしている。
両者は今後、2021年度中にサンプル出荷、2022年度から製品出荷し、電力事業者や発電事業者向けに拡販を進めていく方針だ。
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