ホテルニューオータニ、実質CO2フリーの都市ガスを導入 業界初の事例に自然エネルギー

ニュー・オータニがガスコージェネレーションシステム(CGS)で使用する都市ガスを、カーボンニュートラル都市ガスに切り替え。東京ガスから供給を受けるもので、ホテル業界初の導入になるという。

» 2020年10月28日 07時30分 公開
[スマートジャパン]

 ニュー・オータニと東京ガスは2020年10月、カーボンニュートラル都市ガスの供給に関する基本合意書を締結し、同年10月1日からホテルニューオータニ(東京)のガスコージェネレーションシステム(CGS)で使用する都市ガスを、カーボンニュートラル都市ガスに切り替えたと発表した。契約期間は2025年9月末までの5年間。カーボンニュートラル都市ガスの導入は、ホテル業界初の取り組みになるという。

ホテルニューオータニ(東京)の全景 ホテルニューオータニ(東京)の全景 出典:ニュー・オータニ

 ホテルニューオータニ(東京)は、省エネルギー、安心・安全、緑化推進、リサイクルなどの観点から環境への取り組みを積極的に推進してきた。東京ガスもその取り組みに賛同し、環境性に優れたCGS導入などの環境負荷低減の提案を通じて、ともに課題解決に取り組んできた。

 カーボンニュートラル都市ガスは、東京ガスがシェルグループ(以下,シェル)から購入したカーボンニュートラルLNG(CNL)を活用したもので、天然ガスの採掘から燃焼に至るまでの工程で発生する温室効果ガスが、シェルの保有するCO2クレジットで相殺(カーボン・オフセット)されている。

 カーボンニュートラル都市ガスは、川崎重工業製CGS(1500kW×3台)を使用して供給し、供給量は年間250万m3である。5年間で約3万5000トンのCO2削減効果があるとしている。

 CGSは発電時に発生する廃熱によって空調や給湯などに用いる冷温熱(冷水・蒸気・温水)を製造する環境に優しいシステムである。また、災害に強い中圧ガス導管からのガス供給により、系統電力の停電時にも発電が可能で、エネルギーセキュリティの強化にも貢献する。

photo ホテルニューオータニ(東京)採用のCGS 出典:ニュー・オータニ

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