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» 2021年09月01日 07時00分 公開

鍵は地域新電力のビジネスモデル再構築――地域の脱炭素化へ「地産地消型VPP」を成功させるには?連載「問われる“日本版VPP”の在り方」(2)(1/3 ページ)

再エネ普及や脱炭素化につながる事業モデルとして期待される「バーチャルパワープラント(VPP、仮想発電所)」。中でも地域の脱炭素化に向け、“日本版VPP”の一つとして注目されるのが「地産地消型VPP事業」だ。同事業を解説する本連載、第2回の今回は、地産地消型VPPの現状と課題について整理する。

[株式会社クニエ 谷津 綾乃,スマートジャパン]

 本連載の第1回では、今注目されているバーチャルパワープラント(VPP、仮想発電所)について、グローバルにおける動向と日本の現状についてお伝えした。第2回となる今回は、脱炭素化社会の実現に向けて期待が高まる「地産地消型VPP事業」の現状と課題について整理したい(編注:「地産地消型VPP事業」の定義や概要については、下記の連載第1回をご覧ください)。

政府も注力する「地域レベルでの脱炭素化」

 脱炭素を前提とした地域づくりに注目が集まっている。2021年6月に政府が取りまとめた「地域脱炭素ロードマップ」では、「地域の豊富な再生可能エネルギーのポテンシャルを有効利用」すべく、今後5年間で100カ所以上の「脱炭素先行地域」を確立する方針を掲げている。各先行地域で2030年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする計画であり、国は、これら先行地域の自治体に対し新たな交付金を創設する方針である。

図1 地域脱炭素ロードマップ対策・施策の全体像 出典:国・地方脱炭素実現会議作成「令和3年6月9日 地域脱炭素ロードマップ(概要)」P4より

 再エネを軸とした地域経営・まちづくりを進める際に留意すべき点は、再エネ電源は天候に左右されるため発電量が不安定であり、蓄電池などのバックアップ電源との併用を前提とした電力システムを検討する必要がある点だ。また今後、地域内でさらに増えるであろう多種多様な電力リソースをモニタリングし、その瞬時の出力変動に対応しながら常に需給と一致させるためには、IoTやAIなどのデジタル技術の活用も必須である。

 地域内の多数の再エネ電源を束ね、蓄電池のような調整力と組み合わせることにより、地域内で地産地消型の電力需給を行っていくことは、まさに地産地消型VPPのコンセプトであり、地域レベルでの脱炭素加速に伴い地産地消型VPPの期待役割もさらに高まると考える。

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