ニチコンが住宅用蓄電池の新製品、容量の増設やEVの充放電制御も可能に蓄電・発電機器

ニチコンが住宅用蓄電システムの新製品を発表。太陽電池、蓄電池、EV(電気自動車)搭載電池の3つの電池を統合制御し、エネルギーの効率的な自家消費を行える「トライブリッド蓄電システム」だ。

» 2022年01月19日 07時00分 公開
[スマートジャパン]

 ニチコンは2022年1月17日、住宅用蓄電システムの新製品を「ESS-T3 シリーズ」を同年4月から販売すると発表した。太陽電池、蓄電池、EV(電気自動車)搭載電池の3つの電池を統合制御し、エネルギーの効率的な自家消費を行える「トライブリッド蓄電システム」としたのが特徴で、販売目標は初年度2万5000台。

 新製品は主にトライブリッドパワコン、蓄電ユニット、V2Hシステムの3つで構成。核となるトライブリットパワコンは、連係出力5.9kW、自立出力5.9kVA、かつ200V負荷対応を標準仕様としたことで、災害時にはエアコンやIH調理器の利用に対応できる他、V2Hシステムを利用することでEVの蓄電池も非常用電源として活用できる。太陽光発電用の入力ストリングは4つ備え、最大入力は8.8kW、最大10kWまでの過積載に対応する。

新製品のトライブリッド蓄電システム「ESS-T3 シリーズ」 出典:ニチコン

 蓄電池ユニットは4.9kWhと7.4kWhの2つの容量モデルを用意。4.9kWhのモデルは外形寸法が540×418×230mm、重量50kg、7.4kWhのモデルは540×418×230mm、61kgで、ともにリチウムイオン電池を採用した。

 なお、この2つのモデルは組み合わせが可能で、9.9kWh、14.9kWhなど、より大容量のシステム構成にも対応できる。ユニットの増設は後からでも可能だ。

 これらのシステムにV2Hシステムを組み合わせることで、EVに搭載している蓄電池を含めた包括的なエネルギーマネジメントを行えるという。蓄電池に加えてEVの蓄電容量を活用することで、日中に太陽光で発電した電力を夜間に使うなど、系統から購入する電力量をなるべく減らすといった運用が可能だ。

 こうした蓄電池の運用は、太陽光を最大限に自家消費するグリーンモード、太陽光で優先的にEVを充電するEVモード、太陽光の電力をしっかりと売電する売電モードなど、複数の制御方法を選択できる。

 この他、蓄電池の遠隔見守りサービスや、気象警報などに応じて自動的にバックアップ用の電力を優先蓄電する機能、太陽光の発電量予測に応じて最適にエネルギーマネジメンを行うAI自動制御機能なども搭載する。

 トライブリッドパワコン、蓄電池、V2Hシステムすべてに15年の無償保証と自然災害補償10年が付帯する。

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