容量7.0kWhの家庭用蓄電池とV2Hを新開発、東京電力とダイヤゼブラ電機が共同で蓄電・発電機器

ダイヤゼブラ電機が、パワーコンディショナー、V2H(Vehicle to Home)ユニット、および蓄電池ユニットを組み合わせた「多機能パワコンシステム」を初披露。東京電力ホールディングスと共同開発した新製品で、2022年度中の販売を目指すという。

» 2022年03月17日 06時00分 公開
[スマートジャパン]

 ダイヤゼブラ電機は「スマートエネルギーWeek 春2022」(2022年3月16〜18日、東京ビッグサイト)に出展し、パワーコンディショナー、V2H(Vehicle to Home)ユニット、および蓄電池ユニットを組み合わせた「多機能パワコンシステム」を披露した。東京電力ホールディングスと共同開発した新製品で、2022年度中の販売を目指すという。

展示した蓄電池ユニットとV2Hシステム

 新製品は蓄電池ユニット、パワーコンディショナー、V2Hユニットで構成。蓄電ユニットは、容量7.0kWh、最大充電電力5.5kW、最大放電電力5.8kW、外形寸法W580×H1070×D459mm、重量138kgとなっている。電池は東芝製の26Ahセルのチタン酸リチウムイオン蓄電池を採用した。大容量タイプの26Ahセルを家庭用蓄電システムに採用するのは初だという。充放電サイクルは2万回と長寿命で、使用温度範囲は−20〜+45℃と広い点も特徴となっている。

1台で太陽電池、蓄電池、V2Hシステムの電力変換が可能なパワーコンディショナー

 パワーコンディショナーは、太陽電池、蓄電池、V2Hの電力変換を1台でこなせるマルチタイプ。最大入力電流/電力(太陽電池1回路当り)は10.3A/2150W、連系運転定格出力5.5k、自立運転出力5.5kVA。外形寸法W534×H851×D198mm、重量は45kgで、こちらも蓄電ユニットと同じ温度範囲で利用可能。

 V2Hユニットは、ダイヤゼブラ電機の特許技術である、高効率を維持しながら小型化を達成する絶縁双方向電力変換技術(DAB: Dual Active Bridge)を採用。車両側電圧範囲はDC150〜450V、充放電電力は6.0kW、外形寸法はW445×H1450×D198mm、重量は60kg、内部にファンを備える自然空冷方式を採用している。充電規格はCHAdeMO V2H DC版、EVPS-002:2018 2.1.1版に対応する。

 なお、接続した太陽電池の発電量や蓄電池の充電状況といった各種データはクラウド上に保存され、スマートフォンなどから確認することが可能。状況に応じて、蓄電池およびV2Hの充電・放電を自動制御し、系統から購入する電力量を最小化するといった制御機能も搭載している。

電気料金を最小化する自動制御機能も提供

 ダイヤゼブラ電機の前身は太陽光向けのパワコンなどを手掛けていた田淵電機。今回発表した新製品は、昨今、住宅向けの太陽光発電および蓄電池や、電気自動車の普及に注目が集まっていることを背景に、ダイヤモンド電機が持つ自動車関連製品の技術と、田淵電機のパワコンに関する技術、東京電力ホールディングスの電力・住宅関連製品の技術を組み合わせる狙いがあったという。

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