松葉佐氏は、これらの結果から、Smileを踏まえた環境商材・サービスの訴求ポイントを次のように整理する。
「高実践層は、環境に配慮した暮らしを送りたいというニーズが高く、エコ認証やアップサイクルといった環境配慮表示に響きます。またグリーン電力など環境に負荷の少ないエネルギーに対しても関心が高いです。次の世代のためといった大義にも反応します。
ミドル実践層では、モノを大切にする暮らしを送りたいというニーズが高く、日用品を選ぶ際にもリサイクルできることや脱プラスチックなどを重視します。すぐに日常生活に取り入れられることは、積極的に取り入れたいと考えている層です。さらに、家族や友人など身近な人のために行動をとる方が多いのも特徴です。ミドル実践層は全体の42%と割合が高く、その中でも20代30代の女性の割合が高いです。この層を重視するような商品やサービスを提供することで、比較的多くのお客様に響く訴求をすることができるのではないかと考えます。
ライト実践層は、無駄を省くことや経済性といったことに関心が高いため、省手間や快適性、経済的メリットや長く使えるといったことをポイントに訴求すると関心を持ってもらえると思います。
非実践層は、現時点では環境行動を実践していない層ですので、まずは環境を意識させない、節約など経済的なメリットや、おしゃれや流行といった欲求を満足させることが効果的と考えます」(松葉佐氏)
Smileを大切にして自分にも社会・環境にも良い暮らしをしたいという思いは、マインドフル志向そのものであり、それこそがサステナブル時代の消費のカギを握る新たな価値観であるという。さらに、松葉佐氏は、「人々が笑顔になれて気持ち良いと感じられるような環境に配慮した商品やサービスを提供することで、それを利用した生活者は自分にも社会にも環境にも良い暮らしを行うことができ、その結果として持続可能な社会を実現することができる」と説く。企業にとっては、生活者のマインドフル志向に、いかに応えられるが問われているといえそうだ。
なお、オンライン・デプスインタビューは2021年6月、定量調査は2021年10月に行われた。加えて、環境行動に関するキーワード調査が2021年7月、2022年1月に実施された。
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