「改正省エネ法」の対応ポイントは“再エネの活用”、主要5業種のエネルギー転換目標が明らかにエネルギー管理(2/4 ページ)

» 2023年01月12日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]

水素・アンモニアの取り扱い

 改正省エネ法において、水素・アンモニアやバイオマスが新たに非化石エネルギーとして位置付けられることとなったが、いわゆる「グレー水素・アンモニア」は化石燃料に由来する(かつ、CCS等を行わない)ことが課題として指摘されている。

 これに対して、まずは水素・アンモニアの需要を創出し、供給拡大や価格低下、インフラ整備に繋げていくことが必要であるという考え方に基づき、「グレー」も非化石エネルギーと定義しながらも、将来的には燃料の由来に応じて評価に差を設けることを検討する予定としている。

 なお改正省エネ法は、省エネの促進と同時に、非化石エネルギーへの転換を求める制度となっている。しかしながら、事業者が燃料を化石から非化石(アンモニアやバイオマス)に転換する場合(混焼や専焼)、燃料に含まれる水分等により燃焼効率が最大2割程度悪化することが報告されている。

図2.アンモニア混焼率と燃料中水分・水素分による熱損失の関係 出所:工場等判断基準WG

 これにより「増エネ」と評価される場合、化石燃料を使い続けようというインセンティブが働くおそれがある。

 よって非化石燃料への転換を阻害しないため、エネルギー消費原単位等の算定に当たっては一定の配慮を行うこととして、アンモニアやバイオマスに対しては補正係数「0.8」を乗じることにより、原油換算エネルギー使用量(kl)を補正することとする。

非化石電気に対する評価

 改正省エネ法では、事業者の非化石エネルギーへの転換を評価することとしているが、非化石電気(ここでは再エネ)にはさまざまな類型がある。

 WGでは、発電コスト等の違いや自家発非化石電気への投資を促進する政策的な観点から、表1の類型(1)〜(3)については高く評価すべき取り組みとして、補正係数「1.2」をインセンティブとして乗じることとする。

表1.非化石電気 改正省エネ法における評価(案) 出所:工場等判断基準WG

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