再エネ・蓄電池等の分散型リソースを有効利用へ、系統への活用法を検討エネルギー管理(1/5 ページ)

導入が進む太陽光発電や蓄電池などの分散型エネルギーリソースを、今後の電力系統において、どのように有効活用していくべきかの検討が進んでいる。期待されるのが系統全体の需給バランスの確保や、ローカル系統・配電系統の混雑緩和等への活用だ。

» 2023年01月27日 07時00分 公開
[梅田あおばスマートジャパン]

 近年、太陽光発電(PV)や蓄電池、電気自動車(EV)等の分散型エネルギーリソース(DER:distributed energy resource)の導入が進んでいる。一方、従来の電力システムでは、必ずしも大量のDER導入を想定しておらず、DER(特に低圧リソース)の導入価値が充分に活用されていないという課題が指摘されている。

 このため資源エネルギー庁の「次世代の分散型電力システムに関する検討会」では、電力システムのさらなる効率化・強靭化・脱炭素化を目指して、分散型電力システム構築の検討を進めている。

 今後DERは、系統全体の需給バランスの確保やローカル系統・配電系統の混雑緩和等への活用が期待されている。

図1.各系統レベルにおける分散型リソースの活用例 出所:次世代の分散型電力システムに関する検討会

需給調整市場での機器個別計測導入

 DERはエネルギーkWhや供給力kWのほか、調整力としての活用も期待されている。現行の需給調整市場では、調整力供出量(制御量)を受電点での計量値により評価している。これは、電気事業法や一般送配電事業者の託送供給等約款では「1需要場所・1引込・1契約・1計量」が原則とされているためである。

 ところが1需要場所には複数の負荷が存在することが一般的であるため、需要家内の特定のリソース一つを制御しても、他の負荷の変動により十分な調整力を供出できないこととなる。

図2.受電点と機器点の違い(図のGは自家発、Lは負荷、Mはメーター) 出所:次世代の分散型電力システムに関する検討会

 このため蓄電池等の分散型リソースは、制度上はDRとして需給調整市場に参加可能であるものの、現実的には市場参加が難しいという実態がある。この課題の解消策として検討されているのが、機器個別計測である。

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