取引市場や公募の活用によるDERの調達のほか、料金の違いにより需要家(DER保有者)に、自律的に系統混雑回避行動を促すことも可能である。典型的には、ダイナミックプライシングや時間帯別料金制度の活用が想定される。
資源エネルギー庁では、ダイナミックプライシングによる電動車の充電シフト実証事業を行った。左図のグループでは午前1時〜5時がEVの無料充電時間帯であり、右図のグループでは無料充電時間帯が全て昼間となった10日間を対象に集計したグラフである。
右図のグループでは、有料であっても夜間に充電するEVユーザーは残るものの、かなり多くのユーザーがEV充電時間を昼間(無料の時間帯)にシフトする結果となった。
この実証結果を元に、2030年時点の九州エリアでEV普及率が16%(116万台)と仮定すると、EV充電により約70万kWの昼間需要が創出され、再エネ出力制御量を低減することが可能と試算されている。
なお実際に、一般送配電事業者各社は2023年4月からの新しい託送料金メニューの設定において、軽負荷期4月・5月の昼間(8〜16時)にもピークシフト割引を適用することにより、昼間需要の創出に努めている。
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