内外無差別性の評価に際しては、確認すべき項目を抽出し、項目ごとに以下の3段階で評価することとしている。
その上で、確認項目の中で、内外無差別が担保されていることの確認において特に重要な項目(★印)を抽出し、当該項目が全て「◎評価」、かつそれ以外の項目が全て「〇評価」以上の場合に、現時点で内外無差別が担保されていると評価される。
内外無差別な卸売の実効性については、交渉スケジュール、卸標準メニュー、情報遮断の観点から、評価が行われた。まず、「交渉スケジュール」に関する確認項目と旧一電各社の評価結果は表1のとおりである。
表では、本来求められる評価に未達成な事業者(◎であるべきところ、〇や×である)は、赤文字で記されている。
なお、JERA等の一部の事業者は、上述のコミットメント以前から存在する長期契約を保有しているため、この「交渉スケジュール」以外の多くの確認項目においても、「◎評価」が得られない状態となっている。
2023年6月時点で、旧一電各社がグループ内企業及びグループ外企業と締結する長期契約は合計68本に上る。
既存の長期契約を締結している事業者は、当該契約が存在している間は、社外(グループ外)の新電力に対して等しく交渉・締結の機会を提供したとは言えず、内外無差別が担保されていると評価することはできない。
表2の北陸電力については、グループ外小売事業者と長期契約が存在するが、社内長期契約と同一時期に、同一の長期契約が締結可能であることを社外の事業者において把握していたかどうかは外形的には分からないため、新電力に対して等しく交渉・締結の機会を提供したとは必ずしも言えないと判断された。
監視委では北陸電力に対して、社内長期契約を解除することが望ましいと、提言している。
なおJERAは、現行の長期契約が2025年度に満了するため、2026年度以降を受給対象年度とする長期商品の販売予定を公表している。
この長期契約へのアクセス機会が内外無差別に提供されることが重要であるため、監視委では、現行の年2回のフォローアップに加え、卸販売の都度、卸売結果について内外無差別の観点から問題がないか確認する予定としている。
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