旧一電各社は、内外無差別な卸売の実効性確保策として、卸標準メニュー(ひな型)の作成・公表が求められている。よって、「内外無差別な卸標準メニューを事前に公表済みか」、「卸標準メニューの外側で自社小売(グループ内小売)向けに電源を確保していないか」などが確認された。
表3のように、コミットメント以前からの既存の長期契約を保有する事業者において は、卸標準メニューに基づく交渉・契約は限定的であることが明らかとなった。
なお四国電力は、小売部門の規制需要(経過措置料金)相当分をあらかじめ社内取引(コストベース)で確保する形式としていたが、監視委は、社内取引価格がプライスベースであっても、発販一体でとらえれば適正な費用回収は可能であると指摘し、卸標準メニューでの販売を求めることとした。
複数の旧一電は、卸供給の通告量を変動させることのできる変動数量契約を、社内外に提供している。このような契約はオプション価値を持つものであるため、仮に設定する場合には、社内外で無差別にオプション価値(通告変更量・期限)を設定することが求められる。
コミットメント以前に締結した長期契約がある東電HDとJERAのほか、四国電力において、社内外で無差別にオプション価値が設定されていない事例があることが判明した。
四国電力は、現時点、社外小売事業者からのニーズがないものの、社外事業者も希望すれば社内と同一の通告変更期限を選択可能であると回答している。
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