自社開発の非FIT太陽光のみでRE100を達成、ヒューリックが国内初の成果太陽光

ヒューリックがRE100達成に必要な容量の非FIT太陽光発電設備の開発を完了し、事業において利用する電力の100%再生可能エネルギー化を達成。自社で新規に開発した非FIT電源によるRE100の達成は国内初になるとしている。

» 2023年09月15日 15時00分 公開
[スマートジャパン]

 ヒューリックは2023年9月8日、RE100達成に必要な容量の非FIT太陽光発電設備の開発を完了し、事業において利用する電力の100%再生可能エネルギー化を達成したと発表した。当初計画(2025年)と比べて2年早いRE100の達成になるとしている。

 ヒューリックでは2019年のRE100加盟以降、その達成に向け、非FIT太陽光発電設備の新規開発を推進してきた。2023年9月時点で49カ所、発電設備容量にして約60MWの非FIT太陽光発電設備を開発して発電を行っている。

ヒューリックが保有する千葉県千葉市若葉区大宮町発電所 出典:ヒューリック

 2023年5月時点において、同社グループの電力消費量は45GWh/年であり、保有する非FIT太陽光発電設備によって全電力の再生可能エネルギー化が実現した。FIT電源による非化石証書などを利用せず、自社で新規に開発した非FIT電源によるRE100の達成は国内初になるとしている。

 ヒューリックでは脱炭素化の計画において、再生可能エネルギーの追加性を重要視している。追加性とは、既存の再エネ発電設備を利用せず、新規設備を開発することにより、火力発電所などを代替し、CO2排出を直接削減して環境負荷の低減に寄与する効果のこと。再エネの追加性に貢献する取り組みは、RE100における再エネ電力調達方法の技術要件として2022年に追加された基準だが、ヒューリックの取り組みはこの基準に適合するものとしている。

ヒューリックの非FIT太陽光発電設備の開発と、再エネ化の推移 出典:ヒューリック

 なお、非FIT太陽光発電設備で発電した電力は、子会社で小売電気事業者であるヒューリックプロパティソリューションが買い取り、グループに供給している。自社開発した非FITの再エネ電源と、自社グループの小売電気事業者から全量供給する「自社完結型コーポレートPPAモデル」による電力の100%再エネ化は、国内初になるとしている。

 ヒューリックでは今後、全保有建物の電力を2029年までに100%再エネ化してステークホルダーへの環境価値の提供と脱炭素社会への実現を目指す方針。さらに、非FIT太陽光発電設備の開発を継続するとともに、小水力発電設備の開発、蓄電設備の開発などの多様な再エネ電力の活用を推進するとしている。

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