太陽電池ベンチャーのPXP(神奈川県相模原市)が薄膜太陽電池のセルを貼り合わせてつなげることで、大きさも形も自由なソーラパネルを作製できる技術を開発したと発表した。
太陽電池ベンチャーのPXP(神奈川県相模原市)は2023年12月、薄膜太陽電池のセルを貼り合わせてつなげることで、大きさも形も自由なソーラパネルを作製できる技術を開発したと発表した。
一般にセルをつなげるには、タブ線とはんだを用いてつなげる方法が利用されている。しかし、コスト削減や銀の使用量の削減のために、セルを直接貼り合わせてつなげる手法が注目されているという。
セルを貼り合わせる方法では、導電性接着剤を用いるのが一般的だが、金属箔基板を用いた柔軟性のある太陽電池で導電性接着剤を用いた場合、はんだで貼り合わせた場合に比べて電気抵抗が高くなり、性能が低下してしまうという課題があった。そこでPXPは、はんだフリーかつ銀フリーで簡単にセルを貼り合わせる新技術を開発し、はんだと同等の電気抵抗での貼り合わせを可能にしたという。
極薄の金属箔基板(正極)上に太陽電池を形成し、最表面に櫛状電極(負極)を形成した太陽電池セルの裏(正極)と表(負極)を直接貼り合わせてつなげることでソーラーパネルが完成するという仕組み。極薄の金属箔基板を用いているため、割れることなく、さらにほとんど厚みを増すことなく貼り合わせが可能だという。
この手法では、バスバーを隠すようにセルを貼り合わせられることや、セルをすき間なく並べることができるため、発電面積ロスを低減できるメリットがあるとしている。また、はんだを用いないため耐振性が向上しており、機械や熱による振動の影響を受ける場所にも設置しやすいメリットがある。
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