バイオマス発電は、2030年度エネルギーミックスの導入目標800万kW・470億kWhに対して、2024年3月末時点のFIT前導入量+FIT/FIP認定量は1,070万kW、導入量は750万kWとなっており、目標達成が確実視されている。
バイオマスでは、FIP制度のみ認められる対象を1,000kW以上(液体燃料を除く)としているが、FIPの新規認定は8件・61MW、移行認定は27件・322MWとなっており、移行認定が多いことが特徴である。
また、10,000kW以上の一般木材等バイオマスと、バイオマス液体燃料(全規模)は、2018年度より入札制に移行したが、これまでの落札は実質2件のみであり、2022年度以降は応札件数がゼロとなっている。
諸外国においてバイオマス発電は、FIT/FIP制度による支援対象を容量や燃料種、設備形態によって一部に限っており、大規模な一般木材等区分は支援対象ではない国も存在する。
バイオマス発電は、燃料のタイプ等(木質系/メタン発酵ガス/ごみ処理焼却施設)により、コスト構造が大きく異なることに留意が必要であるが、外部から燃料を購入する必要がある木質系のバイオマス発電では、燃料費が発電原価の6〜7割を占めている。
FIT/FIP事業者からの定期報告データによると、燃料費は全体的に上昇傾向にあり、海外から輸入するPKSや木質ペレットでは、為替レートの影響も強く受けると考えられる。
バイオマス発電事業者協会(BPA)では、大規模(50MW)木質バイオマス発電の現時点の発電原価を21〜24円/kWhと認識しており、2040年頃には、環境価値を含む売電価格(17〜23円/kWh)以下へのコスト低減を目指すとしている。BPAでは燃料費低減策の一つとして、2023年度からFIT/FIPの対象とされたEFB(パーム椰子空果房)やカシューナッツ殻等の新規燃料の導入に向けた燃焼試験等を進めている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
人気記事トップ10