一般的にバイオガスとは、バイオマスの嫌気性発酵などにより得られるメタン(CH4)やCO2、少量のその他ガスからなる精製前の混合ガスを指し、このバイオガスからCO2、水分、その他の不純物を除去した精製後のガスがバイオメタンと呼ばれる。本稿では、これらの両者を区別しない場合、まとめてバイオガスなどと呼ぶ。
日本の総合エネルギー統計で把握されるバイオガスの国内産出量はわずか91TJ(2024年度)であるのに対し、米国・ドイツ・中国などでは、この数千倍の規模のバイオガスなどがすでに利用されている。バイオガスとこれを精製(アップグレード)したバイオメタンの比率は、各国により大きく異なる。
バイオガスなどの現在の用途としては、欧州では発電や熱供給、中国では住宅・業務分野が多いが、2030年には米国・欧州では車両燃料の用途拡大が想定されている。
バイオガスなどの原料としては、米国では埋立地ガスが多く、原料コストが掛からないため、10USD/GJ程度の低コストで製造されており、欧州では主に農業残渣やエネルギー作物を原料として15〜25USD/GJ程度で製造されている。
なお、バイオメタンはその製品販売収入だけでなく、環境価値(各国の環境プログラムにより異なる)を数十〜100USD/MWh程度で販売することにより、収益性を確保している。
下水処理場に搬入される汚水・汚泥から生じるバイオガスは「消化ガス」と呼ばれ、その組成の約60%がメタンであり、低位発熱量は都市ガスの半分程度(21〜23MJ/Nm3)である。
全国約2,138カ所の下水処理場のうち、バイオガス発生設備(消化槽)が設置されているのは比較的規模の大きい305カ所(全体の14%)に留まり、現在、汚泥のほとんどは消化(減容)されずに焼却処理されている。
日本ガス協会によれば、国内の廃棄物系バイオメタン賦存量は約43億m3、このうち汚泥系は12億m3と推計されているが、2024年の消化ガス発生量は3.6億m3に留まる(※参考までに、国内の都市ガス販売量は約382億m3)。
2024年度には、全国の消化ガスの約54%が発電用燃料として使用されており、下水処理場における発電設備146カ所による発電電力量は約3.7億kWhに上る。また都市ガス用途への利用例として、長岡市(長岡中央浄化センター)の消化ガスは、北陸ガスの都市ガス原料として使用されている。
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