――腕時計のデザインって、四角はオーソドックスで、丸は変わってるんですか?
田副 当時、デジタルの時計は四角いもの、アナログの時計は丸いものが多かったです。F-100というヒット商品もありましたし。当初デザインを審議したメンバーの間では、丸とか変わったデザインを推す声が多かったのです。薄型時計が主流の時代にあって、ゴツゴツしたG-SHOCKはかなり変わった存在ですから、デザインも個性が感じられるほうがいいという考えですね。
丸で行こう、とほぼ決まりかけてたんですが、当時社長が「性能がちゃんとしてるんだから、デザインはオーソドックスなものでいけ!」と言いまして、それで初号機はあのデザインになったんです。
――ところで、田副さんは当時、日本で売れていなかったG-SHOCKを買われたんですか?
田副 それがね、買っていないんですよ。設計の伊部さんが、初代G-SHOCKの発売時に、10台くらい特別に記念モデルを作ったんです。「タフプロジェクトモデル」と言われている、初代G-SHOCKのガラスに「TOUGH PROJECT」って印刷が入ってるものですね。企画とかデザインとか、G-SHOCK誕生に携わった有志の人たちだけに配られた時計だったんですけど……なぜか伊部さんは私にも1つ、その時計をくれたんです。もらえてすごくうれしかったですねえ。ずっとそのG-SHOCKを使っていたんですけど、バンドが切れちゃってね。本体は今も壊れていないのに、もう着けられないのが残念なんですよ。
――そういうことだったんですね。「なぜか」なんてことはないと思いますよ。田副さんがいなかったら、今のG-SHOCKはなかったと思いますから……。今日はどうもありがとうございました。
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