AppleのiPad、原価率は52%――iSuppliが分解調査

iPadはこれまでの設計パラダイムとは異なり、ノートPCのようにマザーボード中心ではなく、ヒューマンマシンインタフェースを中心として設計されているという。

» 2010年04月08日 11時29分 公開
[ITmedia]

 Appleが先ごろ発売したタブレットマシン「iPad」は、定価およそ500ドルに対して、推定コストは約260ドルという。調査会社iSuppliが、同製品を分解して部品を調べた。

 iSuppliがiPadのWi-Fiのみの16Gバイトモデル(499.99ドル)を調査したところ、部品コストと製造コストを合わせた原価は259.60ドル。原価率は約52%となった。コストの内訳は下表の通り(部品と製造コストのみで、ソフト、ライセンスなどの費用は含まない)。

部品 サプライヤー コスト(米ドル)
9.7インチ液晶ディスプレイモジュール LG Display 65.00
タッチスクリーン Wintek 30.00
筐体やコネクタなど 32.50
リチウムイオンバッテリー Amperex Technology、Dynapack 21.00
A4マイクロプロセッサ 設計はP.A.Semi(Appleが2008年に買収)、製造はSamsung 19.50
SDRAM Samsung 7.30
無線LAN、Bluetooth、FMモジュール Broadcom 8.05
タッチスクリーンマイクロコントローラ Broadcom 2.30
タッチスクリーンドライバ Texas Instruments 1.80
マルチタッチコントローラ Broadcom 1.40
オーディオコーデック Cirrus Logic 1.20
電源管理IC Dialog Semiconductor 2.10
電源管理IC Samsung 1.25
その他電子部品 20.20
NAND型フラッシュメモリ Samsung(ほかのメーカーからも供給を受けている可能性あり) 29.50
付属品 7.50
部品コスト計 250.90
製造コスト 9.00
合計 259.60

 タッチスクリーンなどのユーザーインタフェース関連部品で原価の40%以上を占めていることが分かる。iSuppliは、iPadの設計は従来のコンピュータとは異なるパラダイムを採用していると述べている。「従来のノートPCはマザーボードを中心とし、ディスプレイなどほかの部品は周辺的なものだが、iPadはその逆だ。ヒューマンマシンインタフェースが中心で、回路はコンテンツの表示とユーザーの入力を手助けするものとされている」

 iSuppliは2月にiPadのコストを約230ドルと予想していた。今回の推定コストはそれを上回るものとなった。

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