医療グループの徳洲会、電子カルテデータのバックアップシステムを構築導入事例

日本最大規模の医療グループの医療グループの徳洲会は、電子カルテデータをリアルタイムにバックアップする環境を構築した。

» 2013年06月07日 13時47分 公開
[ITmedia]

 一般社団法人徳洲会が、電子カルテのデータをリアルタイムにバックアップする環境を構築した。これを支援したデルが6月7日に発表した。

 徳洲会は、全国で66病院を含む280以上の医療施設を運営し、救命救急医療をはじめ、予防医療・慢性医療から先進医療を展開している。現在は、66病院のうち47病院で電子カルテ・オーダリングシステムが稼働し、全てのシステムがソフトウェアサービスのシステムに統一されているという。

 電子カルテなど病院データの活用においては、オープンな環境を重視しているといい、MicrosoftのWindows ServerやSQL Server、Windowsクライアント製品をプラットフォームとしている。徳洲会は東日本大震災を教訓に、災害時に診療継続を担保する電子カルテデータの遠隔地バックアップシステムの構築を検討し、米国の病院でのディザスタリカバリシステムなどを手掛けたデルをパートナーとした。

 データセンターのバックアップサイトには、Microsoft Windows Server 2012による「PowerEdge R720xd」と「PowerVaultシリーズ」のを採用。Microsoft SQL Server 2012をレプリケーションすることにより、病院ごとに電子カルテサーバのデータが徳洲会の「Group-VPN」回線を介してリアルタイムにバックアップされている。2013年3月までに47病院全ての電子カルテデータが関東圏にあるデータセンターにリアルタイムでバックアップされる環境を構築した。

 また徳洲会は、グループ内での電子カルテシステムの統合ならびに医療データのマスターコードの統一にも取り組み、約9割のコードを完了。全66病院の経営データを一元管理、分析できる情報基盤も構築している。経営指標、臨床指標、医療安全、患者満足度、部門業務量、各種統計指標などのデータを分類・抽出し、分析・加工することにより、経営の詳細分析や業務の効率化、患者へのサービス向上を支援しているという。

 診療行為別統計や薬剤構成比、手術コスト算出など経営指標データの分析は、病院経営の効率化に寄与し、病院滞在時間調査・分析は患者サービス向上に役立てられてきたという。

 徳洲会では今後、情報基盤の強化を押し進め、診療情報データベースに蓄積されたビッグデータを活用して、患者サービスを向上させていくとしている。

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