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» 2014年10月09日 18時38分 UPDATE

クラウドバックアップ付きNASも販売開始:DRはしたいけどセカンダリサイトを作るのは……というユーザー向けバックアップ

マイクロソフトは企業内データをMicrosoft Azure上にバックアップする「Microsoft Azure Site Recoveryサービス」を開始した。パートナー各社から同サービスの運用まで行うサービスも順次提供される予定。

[大津心,ITmedia]

 日本マイクロソフトは10月9日、企業内データをクラウドサービス「Microsoft Azure」(以下、Azure)上に保存し、適時フェイルオーバーできる「Microsoft Azure Site Recoveryサービス」(以下、ASR)の提供を開始した。また、同社パートナー16社がASRを活用したディザスタリカバリーサービスを順次提供開始する予定。

バックアップ用のDCが作れない企業でも容易にBCP/DR対策が可能に

佐藤久氏写真 日本マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 業務執行役員 本部長 佐藤久氏

 Azureでは従来から、「オンプレミス−オンプレミスの二拠点間のレプリケーションをAzureで管理する」というレプリケーションサービスは提供していたが、オンプレミス−クラウド間のレプリケーションサービスはASRが初めて。

 ASRはオンプレミス等にある企業内データのバックアップ先として、Azureのリージョンを選択して保存できるサービス。選択可能なリージョンは、日本や米国、欧州、東南アジアなど世界8カ所から選べる。また、富士通などマイクロソフトのパートナー16社はASRを活用してディザスタリカバリの設定や運用を行うサポートサービスを提供する予定だ。

リージョン 現時点で選択できるリージョンは世界8カ所
パートナー一覧 パートナー16社一覧

 ASRはAzureのコンソール上でさまざまな管理が可能。フェールオーバーなどもブラウザ上から実施できる。通常、BCP対策としてバックアップする際には、遠距離の拠点にセカンダリーサイトを構築し、複製を運用する。ただし、この場合セカンダリーサイトもそれなりの規模の設備が必要なため、コスト面で躊躇する企業が多かった。日本マイクロソフトの伊賀絵理子氏によると「選択するリージョンによって時間は異なるが、日本リージョンの場合で、フェイルオーバーにかかる時間は7秒程度。欧州など距離が遠くなると時間もかかるようになる」と、クラウドバックアップであっても迅速にフェイルオーバーできる点を強調した。

ASR機能 ASRのサービス概念

 日本マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 業務執行役員 本部長 佐藤久氏は、「ASRの場合はセカンダリーサイトを構築する必要がなく冗長化/災害対策ができるため、コスト面でBCPやDR対策の実施を悩んでいる企業にぜひ活用してもらいたい。自社でASRの構築・運用が難しい企業向けに、パートナー企業がBCP/DRの構築から運用まで担うオールインワンパッケージの提供も行う。企業は自社の状況に合わせてサービスを選択してほしい」とコメントした。

BCP/DRの構築から運用までお任せできるサービスも登場

 マイクロソフトのパートナー企業の一社である大塚商会は、ASRを活用したサービスを展開。既に、ASRの「設計コンサルティング」「復旧計画策定」「ASR設計・構築作業」「フェイルオーバーテスト」や「Hyper-V環境設計・構築」といったASR導入支援サービスを提供している。

 また、今後は「仮想サーバー運用支援」や「フェイルオーバー代行サービス」「復旧サービス」などASRの運用代行サービスも提供を開始する予定。

 大塚商会 マーケティング本部共通基盤 Webサービスプロモーション部 MS Webソリューション課 次長 下條洋永氏は、「当社はHyper-Vや、Hyper-Vレプリカの構築サポートを数多く手掛けてきたが、“構築から運用まで全て任せたい”というニーズは多い。また、BCP対策をしたいが、セカンダリーサイトを作るのは負担が大きい、という声も多い。今回ASRを活用したソリューションを提供することで、手軽に、かつ、Windows Serverの運用をしないでもBCP対策できる点は、ユーザーにとってもメリットが大きいだろう」と強みを説明した。

NASを買うだけで“クラウドバックアップ”が可能に

藤本氏 新たに発売されるNASアプライアンスを手に持ってアピールする藤本氏

 またマイクロソフトは、Azureへのバックアップ機能を搭載した「Windows Storage Server 2012 R2」(以下、WSS 2012 R2)の提供を開始する。このWSS 2012 R2は、専用アプリケーションを搭載し、Azure BLOBストレージにバックアップが可能なモデル。NASアプライアンスに搭載することで、企業はNASを導入するだけでクラウドバックアップ機能も有することができる点が特徴だ。

 このリリースに合わせて、アイ・オー・データ機器、バッファロー、ロジテックの3社がWSS 2012 R2を搭載したNASアプライアンスの提供を開始する。

 日本マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 クラウドビジネス開発部 部長 藤本浩司氏は、「中堅中小企業で利用の多いNASにクラウドバックアップ機能を提供した意義は大きい。NASによるバックアップに加えて、BCP/DR機能を提供できるようになる。中堅中小企業はIT管理者不在のことも多く、コストの面からも『手の掛からないNASでバックアップもBCP対策もしたい』というニーズは多かった。今回はこのようなニーズを汲めたサービスになったと自負している。また、企業が管理しなければらない仮想サーバーも急増しており、2016年には3倍になると予測されている。これらのバックアップ/管理のためにもクラウドバックアップは有用になるだろう」とコメントした。

 マイクロソフトは、ASRのリリースに合わせて「Azure Backup & ASR導入促進キャンペーン」を実施。通常月額6144円のところ、43%オフの特別価格月額2657円で利用できるキャンペーンを2015年6月30日まで実施すると発表した。

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