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“オンラインで音楽レンタル”――日本の方が向いている?LifeStyle Weekly Access Top10

» 2005年02月07日 00時33分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 先週はソニーの決算報告や、任天堂GBA SP/DSをPSPばりのAVプレーヤーに変身させる「プレイやん」のレビュー記事をさしおいて、P2Pに関連する話題が注目を集めた。

 ラインキング1、2位の記事はいずれも昨年に掲載されたものだが、1月27日に掲載されたWinMXを利用した詐欺的行為を警告する記事がその呼び水になったことは間違いない。P2P自体はWinMXやWinnyの影響もありそう目新しいものとは言えなくなったが、関心はまだまだ高いということか。

 そんなP2Pの“元祖”ともいえるNapsterにも先週動きが見られた。月額料金14.95ドルで、100万曲あまりのカタログから好きなだけ楽曲を対応ポータブルプレーヤーに転送できるサブスクリプション型サービス「Napster To Go」を正式に発表したのだ。

 「Napster To Go」は昨年9月にテストを行っており、Windows Media Player10に搭載された新DRM(Janus)に対応したポータブルプレーヤーならば、楽曲をインターネット経由で“レンタル”したのちに、持ち出すことができる。レンタルなので、一定期間を経過すると再生できなくなる。

 アメリカではCDレンタルが一般ではないので、こうしたサービスについて「ちょっと複雑だと思う人もいるかもしれない」と懐疑的な意見もある。一方日本では、CDレンタルが制度化されており、日本レコード協会の調べによると2004年7月末現在で3343店のCDレンタルショップが存在しているという。

 iTunes Music Storeのサービス開始が待ち望まれている日本国内だが、いまだ開始のアナウンスはない。それは楽曲を“1曲99セント”のような低価格で提供したいApple側と、既に新譜については“1曲200円程度”という値付けを行っている国内レーベル側との意見調整が進まないからではないか、という推測もある。

 ダウンロードで「販売」という形式を取る以上、価格の折り合いを付けることは容易なことではないが、もしそれが「レンタル」ならば、レンタルCDショップというお手本があるだけに、価格設定はそう難しくないはずだ。

 レンタル文化の根付いている日本にこそ、「Napster To Go」のようなサービスは向いており、早期に開始される可能性もあると思うのだが、どうだろうか。

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