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薄型テレビ購入ガイド、30インチ台の傾向とオススメ機種本田雅一の「TV Style」

» 2013年06月24日 15時11分 公開
[本田雅一,ITmedia]

 しばらく業界ネタが続いてきたこの連載だけれど、久々に各メーカーの商品を見ていくことにしたい。一時期よりも製品数は大幅に減ったものの、それでもその数は多い。注目の最新技術を用いた製品は手厚くレビューや紹介記事が書かれるが、そもそも小さめサイズのテレビには上位モデルの設定がない場合も多く、さて、どれがどれやらと悩んでいる方も多いのではないだろうか。

 ということで、この夏商戦期のテレビをサイズごとに分けて見ていくことにしたい。今週はまず、トップシリーズが存在しない30インチ台の製品から、特徴的なものをピックアップしていこう。

唯一の32V型フルHDテレビ

LGエレクトロニクス・ジャパンの「32LA6600」

 最初に紹介するのはLGエレクトロニクス・ジャパンの「32LA6600」である。意外と思うかもしれないが、実はこのクラスでフルHDパネルを採用する機種も、いまやコレ1つ。いわゆる地デジ移行、エコポイントバブルがはじけた後、各メーカーで製品ラインアップの整理が行われ、特に単価の低い小さめサイズは価格……もとい、コスト重視の製品が中心になっているからだ。

 IPSパネルだけに黒の引き締まりは期待できないとはいえ、32V型ならテレビ視聴が中心。つまり明るめの映像がメインになるため、あまり気にならないだろう。むしろ視野角の広さ、斜めからでも安定したスキントーンで見える利点の方が大きい。リモコンの作りもよく、コンパクトだけどプレミアムな作りになっている。

 LGは日本市場でも通用する製品作りをという号令の元、プレミアム製品としての実力を付けるためにさまざまなトライを続けている。やはり唯一になってしまったローカルディミング機能を搭載した上位モデルなど含め、コストよりもプレミアム性、開発効率より画質向上で経験を積み上げ、参入当初は「アレ? あれ?」と思うくらい問題があった画質や画像処理が急速に改善してきている。絶滅危惧種の32V型フルHDという構成を残したのも、そうした取り組みの一環だ。

画質、音質で選ぶなら

 これに続く存在と感心したのがソニーの「KDL-32W600A」だ。ネットワーク機能などバックエンド部分のコンポーネントは上位モデルに近い。Wi-Fiを通じてダイレクトにスマホ、タブレット画面を表示するMiracastにも対応している。番組情報を取得し、見ている番組に関連するネット上のコンテンツや放送番組を探せるなど、メタ情報を中心にしたテレビ視聴スタイルの拡張にも取り組んでいる。

ソニーの「KDL-32W600A」

 また画質面では定評あるデータベース型超解像の「X-Reality Pro」を32V型にも投入。HD放送に対してWXGA解像度のパネルなんだから超解像なんていらないでしょ? と思うかもしれないが、映像ソースの情報量が多いとは限らない。実際のところ通した方が適切な画質となる。画質モードも標準は派手めだが、シネマモードはサスガの手慣れた調整だった。

サウンドバーにレコーダーまで内蔵したオールインワン

 ここまでに取り上げた2製品は、残念ながら音質面はちょっと貧弱で、サウンドバーなり追加スピーカーを接続するなりで対策を施すことを勧めたい。しかし、サウンドバーを追加するぐらいなら、最初から高品位なスピーカーをぶら下げた三菱電機の「LCD-39LSR4」はいかがだろう。サイズは39V型と、「ほとんど40V型じゃないか」というツッコミもあるだろうが、内蔵のダイヤトーン製スピーカーはなかなかの品質だ。

三菱電機の「LCD-39LSR4」。赤色レーザーに加えて青用の「青色が強いシアン色LED」と緑用の「緑色が強いシアン色LED」を搭載し、色域を拡大した“LASERVUE”の新製品だ。ダイヤトーンスピーカー、BD/HDDレコーダーを一体化したオールインワンタイプ

 赤レーザーで発色を補強した映像は、ちょっと派手目の印象が残るものの、Blu-ray Disc/HDDレコーダー内蔵ということも合わせ、1台だけで完結する映像エンターテインメント機に仕上がっているのは、システムをコンパクトに収めたい人にはうれしいはずだ。

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