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» 2015年05月14日 22時50分 UPDATE

日本とアジアに注力:赤字に苦しむシャープ、AV・家電事業はどうなる? 中期計画で再建策を表明

液晶事業の不振などで赤字に苦しむシャープが中期経営計画を発表。カンパニー制度の導入や資本金の減資、本社売却などで2016年度中の黒字転換を目指す。

[村上万純,ITmedia]

 「もう聖域はない。不退転の決意で抜本的な構造改革を進めていく」

 シャープの高橋興三社長は5月14日、2014年度の決算と2015〜2017年度の中期経営計画を発表。2014年度の連結決算は最終損益が約2223億円の損失となり、従来の予想を大幅に下回った。「外部環境の変化にうまく対応できていなかった」と高橋社長は説明し、AV・家電関連は今後日本とアジアを中心に産業向け事業の比率を高めていくことを明らかにした。

photo シャープの高橋興三社長

AV・家電は日本、アジアに集中投下

 高橋社長は、2016年度中の黒字転換を目指すため、「カンパニー制の導入」「固定費の削減」「組織再編」の3つを進めると語った。

photo 中期経営計画の基本戦略

 これまでの2ビジネスグループ・8事業本部体制を「コンシューマーエレクトロニクスカンパニー」「エネルギーソリューションカンパニー」「ビジネスソリューションカンパニー」「電子デバイスカンパニー」「ディスプレイデバイスカンパニー」の5カンパニー制に移行。

photo 5カンパニー制に移行

 デジタル情報家電などを扱うコンシューマーエレクトロニクスカンパニーは、日本とアジア市場に注力する。特に中国の液晶テレビ市場は無視できず、「中国において液晶テレビ事業をやめることは中国市場を閉じることに等しい」と説明。欧州でのテレビ・白物家電事業は終息させ、米国でのテレビ事業はアライアンスを検討しているという。

 高橋社長はあらゆるものがインターネットにつながるIoT(Internet of Things:モノのインターネット)時代において新商品や新規事業を開拓することに意欲を示し、「お茶プレッソのような自社ならではの商品を生み出していきたい」と意気込みを語った。クラウドサービスを使った新商品を提案するほか、デザインも全面的に刷新していく方針だ。

 日本でIoT時代の白物家電が登場してきていることを受け、高橋社長は「我々はWi-Fiや通信技術を持っていることが強みでもある。今後は当たり前のように家庭にディスプレイが入ってくる時代で、これが昔でいうところのテレビだったのか、と言われるような新しいものを作っていきたい」と話す。

 固定費の削減では、資本金を5億円に減資するほか、グローバル人員の10%削減、国内の希望退職者3500人の募集、本社ビルの売却などを検討。年間約285億円の収益改善を見込む。具体的な売却時期などは決まっていないが、「本社を売却してでも改革をやり切るという強い意思の現れだと思ってほしい」と語った。

 組織再編については、先述した各カンパニーに自立した経営をさせることで「規律あるスピード経営を目指す」という。

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