三菱電機は7月14日、冷蔵庫の新製品として、上位モデルにあたる「WXシリーズ」4機種および「JXシリーズ」3機種を発表した。氷点下でも凍らせずに鮮度を長持ちさせる「氷点下ストッカー」が進化。冷凍した肉や魚からドリップ流出を抑え、おいしく解凍するという。8月26日から順次発売する。
同社は近年、冷蔵庫に「切れちゃう瞬冷凍」や「氷点下ストッカー」といった独自機能を追加して他社製品との差別化ポイントにしているが、どちらも水の“過冷却現象”を応用したものだ。温度を緻密(ちみつ)に管理しながらゆっくりと下げていくと0度(凍結点)を過ぎても水分が凍らない過冷却状態になる。そのまま食材を保存するのが「氷点下ストッカー」で、過冷却状態から−7度の低温で一気に冷凍するのが「切れちゃう瞬冷凍」だ。一気に冷凍すると氷の結晶が丸い微粒子状になり、食材の細胞壁を壊さず、凍った状態でも包丁で切ることができる固さになる。
三菱電機では、従来の冷凍室やチルド室に加え、「切れちゃう瞬冷凍」や「氷点下ストッカー」の専用ルームをプラスすることで、食品の保存方法に幅を持たせた。とくに昨年のモデルから搭載された「氷点下ストッカー」は、同社製冷蔵庫を購入した人の約7割が機種選択時の“重視ポイント”に挙げるなど支持されているという。「従来のチルドでは約4日間しか保存できなかった牛挽肉や豚ロース肉を約7日間保存できるなど、傷みやすい生鮮食品の鮮度を長持ちさせる。週末に1週間分の食材をまとめ買いするようなケースにも便利だ」(同社)。
そして新しい「氷点下ストッカーD」では、さらに2つの特徴が追加された。1つはカチコチに凍った肉や魚の解凍機能。冷凍庫で保存していた食品を「氷点下ストッカールーム」に移し、タッチパネルで「解凍モード」に設定すれば、細かい温度調整を行いながら低温で解凍する。具体的には90分程度の時間をかけて1〜3度まで温度を上げ、またー3度〜0度の温度帯に戻すという。これにより、解凍開始から約90分で「包丁で切ることのできるマイナス7度まで解凍できる」(同社)。
また氷点下のため、解凍後にそのまま保存できるのもメリット。例えば解凍して3日間保存した牛もも肉150グラムの場合、チルド解凍では約3.6グラムのドリップが流出したが、氷点下ストッカーDでは約0.9グラムに抑えられるという。「ドリップが少ないということは食材の“うまみ”を逃がさないということ。冷蔵庫解凍やレンジ解凍よりおいしく、解凍後は日持ちしないという悩みも氷点下ストッカーDが解決してくれる」。なお、氷点下ストッカールームにほかの食材が入っている時に解凍作業を行っても問題はないという。
独自のウレタン発泡技術と真空断熱材による薄型断熱構造「SMART CUBE」を扉や外壁に採用し、設置面積に対して容量を増やしたところも三菱製冷蔵庫の特徴。例えば475リットルの「MR-WX48Z」は、幅と奥行きがともに65センチメートルとコンパクトながら、買い替え期の目安といわれる10年前の同サイズ冷蔵庫と比べて74リットルもの容量増を実現している(2005年製のMR-G40Jと比較)。
WXシリーズとJXシリーズの違いは、主にドアの材質だ。WXシリーズはガラスを採用して高級感のある光沢仕様、一方のJXシリーズには鋼板を用いてシックなイメージに仕上げた。本体カラーは、WXシリーズがクリスタルホワイト、クリスタルロゼ、クリスタルブラウンの3色。JXシリーズはローズゴールドとロイヤルウッドの2色となっている。価格はすべてオープンプライス。8月下旬から順次発売する予定だ。
型番 | 容量 | 実売想定価格 | 発売日 |
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MR-WX71Z | 705リットル | 43万円前後 | 8月26日 |
MR-WX61Z | 605リットル | 38万円前後 | 8月26日 |
MR-WX53Z | 525リットル | 34万円前後 | 8月26日 |
MR-WX48Z | 475リットル | 33万円前後 | 8月30日 |
MR-JX61Z | 605リットル | 34万円前後 | 9月15日 |
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MR-JX53Z | 525リットル | 32万円前後 | 9月15日 |
MR-JX48LZ | 475リットル | 30万円前後 | 9月30日 |
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