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ソニーが4Kプロジェクターのラインアップを強化――HDR対応の「VPL-VW515」とリビング向けの「VPL-VW315」を発表

» 2015年09月04日 11時18分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 ソニーは9月4日、4Kプロジェクターの新製品2機種を発表した。2013年に発売した「VPL-VW500ES」の後継に位置づけられるが、HDR対応など高機能化を図った「VPL-VW515」と、アイリスなどを省略して価格を抑えた「VPL-VW315」にラインアップを分け、より幅広いユーザーに訴求する構えだ。価格は「VPL-VW515」が90万円、「VPL-VW315」は75万円(税別)で、どちらも10月9日に発売される。

「VPL-VW515」

型番 VPL-VW315 VPL-VW515 VPL-VW500ES(参考)
解像度 4K SXRD(4096×2160ピクセル)
入力信号 4K/60p対応(YCbCr 4:2:0/8bit)
アイリス なし アドバンストアイリス3
HDR対応 なし なし
光出力 1500ルーメン 1800ルーメン 1700ルーメン
オートキャリブレーション なし
ピクチャーポジション なし
カラー プレミアムホワイト ブラック
外形寸法 496(幅)×195(高さ)×464(奥行き)ミリ
重量 約14キログラム
希望小売価格 75万円 90万円 80万円
発売時期 10月9日 販売中

 両モデルとも基本デザインは現行「VPL-VW500ES」を踏襲しており、4Kネイティブ解像度の0.74型SXRDやレンズ部は共通だ。ハードウェアの最も大きな違いはアイリスの有無で、アイリスを持つ「VPL-VW515」では絞り制御の改善も合わせて30万:1のダイナミックコントラストを実現した。これは現行「VPL-VW500ES」の20万:1を上回る数字だ。


 「アイリスにより暗室で使えば黒を沈めることができるため、VPL-VW515は遮光された専用シアタールームを持っている人に適している。一方のVPL-VW315は、リビングルームなどで使う場合に合わせてボディーカラーもホワイトを選択した」(ソニー)

プレミアムホワイトの「VPL-VW315」

レンズ部などは上位モデルと同じ

 また使用時間の経過により発生する色バランスのズレを自動補正する「オートキャリブレーション」機能やHDR信号への対応も「VPL-VW515」だけの特徴となる。HDRコンテンツを表示する場合、同社製テレビのようにピーク輝度を上げる仕組みは持っていないが、オリジナル映像により近いダイナミックな階調表現が可能だという。

 一方、2機種共通で「VPL-VW500ES」から進化したポイントとして、光源ランプの寿命が大幅に延びたことが挙げられる。いずれも高圧水銀ランプ(型番は異なる)を使用しているが、輝度が半減するまでの時間は従来の4000時間から6000時間へと長くなった。「毎日2時間の映画を1本見た場合、約8年間持つことになる」(同社)。

 3D表示もサポート。無線方式のため接続安定性が高く、また「フルHDグラス・イニシアチブ」規格対応であれば他社製品でも利用できるのがメリットだ。またレンズシフトによる4K化を行っている他社製プロジェクターと比較すると「右目用、左目用をそれぞれ4Kにアップコンバートできるため、画質面のメリットが大きい」としている。

4Kモデルと同じLSIを使用した2Kプロジェクター「VPL-HW60」

 あわせて「VPL-HW55ES」の後継機となるフルHDプロジェクター「VPL-HW60」も発表された。新たに映像エンジンに4Kプロジェクターと同じLSIを使用して「リアリティークリエーション」を進化。4Kアップスケーリングは行わないものの、「まるで4Kのような解像度。S/Nも現行モデルより向上している」(同社)という。

「VPL-HW60」はホワイトとブラックの2色

 また光源ランプの長寿命化(6000時間)も4Kプロジェクターと同様。光出力も1800ルーメンと従来機(1700ルーメン)よりアップした。そのほか、3Dメガネが電波方式に変更された点も機能アップのポイント。ゲーム用低遅延モードの追加やUSB入力によってアップデートが可能になった点も新しい。一方でキーストーン(台形補正)やRGB入力、コンポーネント入力といった機能が省略されている。

 「VPL-HW60」の本体カラーはホワイトとブラックの2色。価格は35万円で、10月9日に発売する予定だ。

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