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MQA再生もサポート!――パイオニアからハイレゾ対応ポータブルプレイヤー「XDP-100R」登場IFA 2015

» 2015年09月04日 19時11分 公開
[天野透ITmedia]

 パイオニアブランドから初のハイレゾ対応ポータブルオーディオプレイヤー「XDP-100R」が登場した。ヘッドフォンアンプ「XPA-700」を思わせる外観にクアッドコアCPUとAndroid 5.1.1を搭載している。価格は未定で、11月に発売する予定だ。

「IFA 2015」のカンファレンスで発表された「XDP-100R」

カンファレンス会場にはシルバー、カッパー、ブラックの3色が展示されていたが、ラインアップはシルバーとブラックの予定。カッパーは参考展示

オーディオ思考の設計

 XDP-100Rは、加ESS TechnologyのDACチップ「SABRE ES9018K2M」およびヘッドフォンアンプ「SABRE 9601K」を搭載したハイパフォーマンスモデルだ。DACやアンプをCPU基板から分離してデジタルノイズの干渉を抑え、さらに通常ならコンパクトにまとめる基板をあえて大きくして回路部を電源ブロックから離して配置するなど、ホームオーディオで用いられるような設計になっている。

ESS TechnologyのDACチップ「SABRE ES9018K2M」およびヘッドフォンアンプ「SABRE 9601K」を搭載

「MQA」(Master Quality Authenticated)にも対応

DAC/アンプ部とCPUの基板を分離した。据置型のアンプとプレイヤーが別体になっているようなものだという

回路とパワーブロックを離して配置

 ファイル再生では、最大384kHz/24bitのPCM音源(WAV、FLAC)およびDSD 11.2MHzをサポート。さらに英Meridian Audio(メリディアン・オーディオ)が開発した新しいロスレスフォーマット「MQA」(Master Quality Authenticated)にも対応し、「音質を犠牲にすることなく圧縮効率を高めることに成功した」という。MQAは合併前のオンキヨーがサポートを表明しており、合併によってパイオニアブランドからもMQA対応機器が登場すると予測する声もあったが、今回の「DXP-100R」がその第一弾となる。

 32Gバイトの内蔵メモリに加え、microSDカードのデュアルスロットを装備。各スロットは128Gバイトまで対応しているため、合計で最大288Gバイトのストレージを扱えることになる。

microSDカードのデュアルスロットを装備

 前面のディスプレイは4.7インチ(1280✕720ピクセル)。内蔵バッテリーで連続10時間程度のハイレゾ再生が可能だという。このほか、Wi-FiやBluetooth(apt-X対応)も備えている。

スマホの圧縮音楽では味わえない世界がある

 カンファレンスには、同社イノベーション本部本部長の土田秀章氏が登壇。日本の「e-onkyo music」がハイレゾ音源しか扱っていないにも関わらず、急ピッチで成長しているグラフを紹介し、「われわれはスマートフォンの圧縮音楽では味わえない世界があることを伝えたい」と語った。同社は今後、ドイツや英国、米国でも「onkyo music」の名前でハイレゾ音源配信サービスを展開する予定。DXP-100Rにも直接配信サイトにアクセスし、楽曲を購入できる機能を持たせる。

「e-onkyo music」は加速度的に売上を伸ばしている

同社イノベーション本部本部長の土田秀章氏

 「DXP-100Rは鋭意開発中なので詳しい情報を開示できないが、“がんばって買う”価格にはしたくない。日本でも秋のイベントシーズンには皆さんにお見せしたい」(土田氏)。

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