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平成28年度「省エネ大賞」決定、「経済産業大臣賞」は温度の異なる風を吹き分けるパナソニックのエアコン

» 2017年01月24日 06時00分 公開
[ITmedia]

 一般財団法人 省エネルギーセンターは1月23日、平成28年度の「省エネ大賞」を発表した。家電製品で「経済産業大臣賞」を受賞したのは、パナソニックのエアコン「WXシリーズ」。またアイリスオーヤマのLEDシーリングライトと日立ジョンソンコントロールズ空調のルームエアコン、東芝ライフスタイルの冷蔵庫「マジック大容量シリーズ」が「省エネルギーセンター会長賞」に選ばれた。

パナソニックのエアコン「WXシリーズ」

 パナソニックのWXシリーズは、温度の異なる2つの風を同時に吹き分けることのできる家庭用エアコンだ。同じ気温でも“暑い”と感じる人と“寒い”と感じる人がいるため、人の放熱量を検知して“暑い”、“寒い”といった感覚を見分ける「温冷感センサー」を搭載。また新開発の可変圧力弁によって熱交換器内を流れる冷媒の圧力を変化させ、1つの熱交換器でありながら上下に2つの温度を作り出すことに成功した。

2つの温度の風を同時に作り出す熱交換器
熱交換器と可変圧力弁の実物
可変圧力弁の分解モデル

 暑いと感じている人には温度が低めの気流、寒い人には温度が高めの気流を届けることで、省エネ性と快適さを両立。さらに霜取を効率良く行う「新エネチャージシステム」など新技術も合わせ、省エネ性能はAPF7.6(4kW機種)を達成している。

暑いと感じている人には温度が低めの気流、寒い人には温度が高めの気流を届ける

省エネルギーセンター会長賞にも3製品

 アイリスオーヤマの「ECOHiLUX FE IIIシリーズ」は、これまでエネルギー消費効率を下げていた原因を分析し、設計の見直しと高効率電源の開発などによって業界トップクラスの省エネ性を実現したLEDシーリングライトだ。出荷数量の多い低価格帯商品のため、省エネ化にも大きく貢献するという。

日立ジョンソンコントロールズ空調の「ステンレス・クリーン 白くまくん」Xシリーズ

 日立ジョンソンコントロールズ空調のルームエアコン「ステンレス・クリーン 白くまくん」は、人の出入りの多いリビングルームをターゲットとし、個人を識別すること省エネ性を高めるという家庭用エアコンだ。新構造のスクロール圧縮機など各部のロスを減らすとともに、センサー(カメラ)と人識別画像処理技術により個人を識別。それぞれの在室時間を元に室内の暖めすぎや冷やしすぎを防ぐ。

東芝ライフスタイルの「マジック大容量」(FWX/FWシリーズ)

 東芝ライフスタイルの「マジック大容量シリーズ」は、冷蔵室と冷凍室にそれぞれ専用冷却器を配置し、可変絞り弁で流量調節を行うことで省エネ性を向上させた冷蔵庫。コンプレッサーの制御を見直すとともに真空断熱材の多積層化など、きめ細かい改善の積み重ねで大幅な省エネ性能の改善を図った。


 省エネ大賞は、省エネルギー性に優れた製品やビジネスモデルにスポットをあて、省エネ型社会の構築に寄与することを目的とした経済産業省後援の表彰制度。企業や工場の節電や省エネ推進活動を表彰する「省エネ事例部門」と家電製品を含む「製品・ビジネスモデル部門」があり、いずれも公開の場で審査発表会などを行うことで省エネ意識の拡大と省エネ製品の普及促進を図る。なお、今回の表彰式は2月15日から東京ビッグサイトで開催されるイベント「ENEX2017」内で行われる予定だ。

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