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V字回復を目指すシャープ、カギを握るのは8KとIoT

» 2017年05月26日 20時09分 公開
[ITmedia]

 シャープは5月26日、2019年度までの中期経営計画を発表した。構造改革による「サバイバル」(同社)は2016年度で終了し、今後3年間はIoTや8Kを成長エンジンとするトランスフォーメーション(変革)の時期と位置付ける。2019年には売上高3兆2500億円、営業利益1500億円を目指す。

今後3年間はIoTや8Kを成長エンジンとするトランスフォーメーション(変革)の時期
V字回復を目指す

 主な事業ドメインとして挙げたのは、スマートホーム、スマートビジネスソリューション、IoTエレクトロデバイス、アドバンスディスプレイシステムの4つ。また「AIoT戦略推進室」「8Kエコシステム戦略推進室」を新設して全社に横串を通す。

事業ドメイン

AIoTサービスをプラットフォームに

 シャープのいう「AIoT」は、AI(人工知能)とIoT(モノのインターネット)を組み合わせた造語。「身のまわりのモノを人工知能化していく」というコンセプトだ。白物家電やAV機器、スマートフォンなどの分野でもAIoT化を推進し、8Kや「個性あふれるディスプレイデザイン提案」(同社)などハードウェア面の進化とともに、「ココロプロジェクト」の各サービスでソフトウェア面も拡充する。

 ココロプロジェクトのサービスは、音声認識による自然な対話が特徴。例えばヘルシオに搭載された「COCORO KITCHEN」は、毎日の献立を相談できるほか、テレビやレコーダーでは人工知能がユーザーの視聴傾向を学習してテレビ番組やネット動画配信からコンテンツをおすすめする「COCORO VISION」などもある。同社はさらに、機械学習やビッグデータ解析、音声認識などの技術をAIoTプラットフォームとして提供する「スマートホームビジネス」を提供する方針だ。

 具体例としては、野村不動産と組んで同社創業の地である田辺ビルの敷地を再開発する「シャープ スマートタウン(仮称)構想」がある。この構想では、AIoT技術を駆使したスマートマンションやスマートオフィス構想を盛り込んだ複合ビル、それらが連携して新たな付加価値を生み出すスマートタウンを実現するという。同社ではプロジェクトチームを組成し、2021年竣工を目指す。

合わせて発表した2017年度の通期連結業績予測

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