WPA2(Wi-Fi Protected Access2)は、WPA(用語参照)に2が付いていることからも分かるとおり、WEPに替わる暗号化技術WPAのいわゆるバージョン2である。WPA2では、IEEE802.11iが採用した暗号化方式「AES(Advanced Encription Standard:高度暗号化規格)」が含まれており、IEEE802.11iの別称としてもこのWPA2が使われる。
暗号化名 |
WEP |
WPA |
WPA2(IEEE802.11i) |
ここでいうAESとは、128、192または256ビットの可変鍵を利用した暗号化方式で、1997年にNIST(米国標準技術局)が公募・選定を行い決定されたもの。その中身は、ベルギーの暗号開発者Joan Daemen氏とVincent Rijmen氏が開発した「Rijndael」だ。2002年5月には米国政府の標準暗号化方式としても認定されている。
そもそもWPAは、無線LAN環境でのセキュリティとして利用されていたWEPの脆弱性に緊急に対応する必要から誕生したものであり、本来目指していた姿からすると確かに不完全ではある。だが従来の製品でもファームウェア修正で対応できる利便性があり、また十分なセキュリティも確保できている。
一方のWPA2は、より堅牢なセキュリティを手に入れられるとはいうものの、ハードウェアでの対応が必要になる。利用に際して新たな投資を迫られるため、特に大手企業ユーザーでの導入が進むかどうかに懐疑的な見方もある。もっともWPA2には、WPAとWPA2の混在した環境で利用できるミックスモードが搭載されており、これからのハードウェアにWPA2が採用されるのを否定する理由はない。
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