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» 2004年05月19日 23時54分 UPDATE

「海外市場へのパスポート」〜ノキアの有料デベロッパープログラム「Forum Nokia PRO」

ノキア・ジャパンは6月1日から、コンテンツプロバイダ向けの有料デベロッパープログラム「Forum Nokia PRO」を開始する。日本のプロバイダが持つ豊富なコンテンツ資源を、ノキアのGSM端末向けに移植しやすい環境を提供するのが狙い。

[後藤祥子,ITmedia]

 Nokiaは、自社端末向けJavaアプリの開発をサポートするデベロッパー向けプログラム「Forum Nokia」(2003年8月の記事参照)に、コンテンツプロバイダ向けの有料プログラム「Forum Nokia PRO」を追加すると発表した。6月1日からサポートを開始、年会費は40万円。

 ノキアは、個人から企業まで幅広くデベロッパーをサポートするプログラム「Forum Nokia」をすでに提供しているが、Forum Nokia PROは位置づけが異なる。対象となるのは既にNokia端末向けコンテンツを開発した実績がある企業で、入会に当たっては審査を受けることになる。審査項目には“他のPROメンバーと類似した製品やサービスを展開していない”というものもあり、「(類似サービスの場合)先に入会した企業が優先される」(Forum Nokia日本代表の大塚孝之氏)。

 Forum Nokia PROに参加企業向けには、多彩なサポートがが優先して提供される。GSM端末1台と各種開発環境をパッケージしたデベロッパーキットが提供されるほか、日本にいながらGSM環境下でコンテンツをテストできるラボ「Developer HUB」も用意される。開発したコンテンツを検証するためのテスト機は常時100台を取りそろえ、発売前のプロトタイプ端末の貸し出しにも対応する。「発表前の端末を貸し出すのは、アプリ開発で一緒に苦しんでください、ということでもある(笑)」(大塚氏)。またForum Nokiaでは基本的に英語だったテクニカルサポートも、PROでは日本語で対応するという。

 Forum Nokia PROが提供する開発サポートは、「40万円分以上の価値がある」と大塚氏。「コンテンツテストのための海外出張費、ボーランドやメトロワークスの開発環境の購入費用を考えれば、十分見合う金額」。

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 デベロッパーキットには、GSM端末とダミーSIMカード、SDK、サンプルコードCD、グローバルACアダプタセット、開発本が入っている(左)。発売前の新端末の貸し出しにも対応する(右)

Java端末の普及に合わせ、日本のコンテンツを海外に

 日本のコンテンツ市場では、端末開発やコンテンツの仕様決め、配信に至るまでを通信キャリアが主導で管理している。しかし海外ではこのような例は少なく、端末開発メーカーが日本の通信キャリアのような役割を担うことも多い。「端末開発」「コンテンツ仕様の策定と開発サポート」「配信と宣伝」を行うForum Nokia PROは、日本の通信キャリアに似た役割を果たすプログラムだ。

 2003年にはノキアのJava対応端末が7000万台出荷されるなど、海外でもコンテンツ需要が高まっている。日本の豊富なコンテンツがノキア端末向けに移植されれば、ノキア端末のサービス向上に役立つ。「2004年度は、1億台のJava端末出荷を目指す」(大塚氏)こともあり、質の高いコンテンツの投入は急務だ。

 コンテンツプロバイダにとってForum Nokia PROは、コンテンツの開発や検証に費やす時間を軽減し、ノキアが端末を供給する各国の通信オペレータ向けに配信できるというメリットがある。また開発したコンテンツは、キオスク端末や店頭パッケージ販売などノキアの販売チャネルを使って展開でき、ダウンロードサイトでの販売やポスターを使った宣伝なども可能。海外展開を効率よく行えるというわけだ。

 「日本で配信しているコンテンツは、(コンテンツによって異なるが)一から開発するのに比べて10分の1程度の投資でノキア端末向けに移植できる。400以上の通信事業者への配信ルートができ、ローリスク/ハイリターンを期待できる」(大塚氏)。

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