「2画面特許」の訴訟、ドコモが勝利していた

» 2004年10月08日 23時59分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 「2画面の液晶を搭載した携帯電話の特許」(2画面特許)をめぐる紛争で、NTTドコモとエイディシーテクノロジーが裁判で争い、特許庁が同特許の取り消しを決定したことなどを理由にドコモ側の主張が認められていたことが分かった。東京地裁は判決で、エイディシー側に損害賠償、不当利得の返還ともに請求権がないことを認めた。

 東京地裁の知的財産権判決速報によると、この訴訟はドコモが、2画面特許に基づく損害賠償などの請求権がエイディーシーにないことの確認を求めて提訴した。口頭弁論は9月16日に終結。10月1日に言い渡された判決では、特許庁が同特許の取り消しを決定したことなどを理由にドコモの主張を認め、エイディシーには請求権がないとした。

これまでの経緯

 発端は、名古屋市のベンチャーであるエイディシーテクノロジーが、「2画面特許を取得した」と発表したことだった(2003年5月1日の記事参照)。同社は、折りたたみ型でメイン液晶とサブ液晶の“2画面”を備える携帯端末は同特許に抵触すると主張。モバイル業界で波紋を呼んだ。

 判決によると、事実関係としてエイディシーが実際に2003年4月17日と6月2日、ドコモに対して「警告書」を送付したことも明らかにされている。折りたたみ型の「N504iS」「N251i」など5端末は本件特許に関わるとするものだった。

 エイディシーはまた、ドコモから連絡を受けた端末メーカーのNECとも、数度にわたり交渉。「交渉が決裂した場合には特許侵害の差し止めと損害賠償を請求する訴訟を起こす」と述べた。

 期を同じくして、エイディシーはボーダフォンにも「J-T09」が2画面特許に抵触するとして警告。調停を申し立てている。2003年10月16日には、「J-T010」のみを対象として侵害差し止め・損害賠償を求める訴訟を名古屋地裁に起こした。

 しかし今年に入り、特許庁は4月15日付け訂正請求による訂正を認めた上、本件特許を取り消すことを決定。これを受けてエイディシーは、各特許権に基づいた損害賠償請求権と不当利得返還請求権が存在しないことを認め、従来の主張を撤回していた。

ドコモによる「念押し」の確認

 今回の訴訟は、ドコモ側が「エイディシー側が自認しているとはいえ、今後損害賠償請求を行うともかぎらない」と判断し、改めてエイディシー側に損害賠償請求権がないことを確認するために起こしたもの。

 特許庁は訂正を認めた上で特許を取り消しているが、取消訴訟が提起されたため訂正は確定していない。

 従ってエイディシーの請求権はあくまで登録時の特許に基づくものであって、そして口頭弁論終結時点では同特許について無効理由があり、これについては両社間に争いがないため、地裁はドコモの請求を認めた。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月09日 更新
  1. 資産3000万円以上が対象 MUFG「エムット」最上位サービスと“年会費無料”アメックス・プラチナの魅力とは (2026年10月08日)
  2. 楽天モバイルの「ローミング継続」条件は本当に「エリア外」だけ? 2社のマップから見えた“食い違い” (2026年10月08日)
  3. 新コード決済「teppay」はどこで使える?  エキナカ施設からコンビニ、ファミレス、ECまで一挙案内 (2026年10月07日)
  4. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  5. フリービット創業者の石田宏樹CEOが辞任 子会社の株式取得で「利益相反」などの指摘を受け (2026年10月07日)
  6. KDDIのローミング縮小でも「やめる理由にはならない」 楽天モバイルユーザー4人が語る本音と“経済圏”の囲い込み (2026年10月05日)
  7. Boseが有線イヤフォン市場に再参入 ノイキャン搭載で約1.7万円の「Bose Noise Cancelling Wired Earbuds」 (2026年10月08日)
  8. Xperia純正充電器がソニーストアから消える 今後は「出力30W以上のUSB Power Deliveryに対応した充電器の使用を」 (2026年10月07日)
  9. ファミマのゆうちょATM約5400台が営業終了へ  2027年1月から順次 (2026年10月07日)
  10. 富裕層向けカードの潮流が変化 アメックス、三井住友、ダイナース、ラグジュアリーカードが狙う“特別な体験価値”とは? (2026年09月22日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー