ヘッドセットはOK?NG?〜どうなる車内の携帯利用

» 2004年10月28日 14時09分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 11月1日から施行される改正道交法(8月24日の記事参照)。運転中に携帯電話を手に持って通話やメールすると取り締まりの対象になり、違反者には罰金が科せられる。

 運転中に使わないで済むならいいが、仕事上使わざるを得ない場合は、何らかの対策が必要。ハンズフリー通話機能を備えた携帯電話を使う、車載用ハンズフリーキットを使う、ハンズフリー通話対応のカーナビを使う──などの策があるが、東京都など一部地域で“ヘッドセットやイヤホンを使う”のには注意が必要だ。

 道路交通法の71条には運転者の遵守事項があり、「公安委員会が必要と認めて定めた事項」は、守らなければならないとしている。公安委員会は国家公安委員会のほかに、各都道府県の公安委員会が存在し、それぞれの交通事情に応じて禁止事項を定めている。

 東京都の場合、遵守事項の第8条第3号に「高音でカーラジオ等を聞き、又はイヤホーン等を使用してラジオを聞く等安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で車両等を運転しないこと」という条文がある。

 遵守事項違反は取り締まり対象となるため「東京都ではヘッドホンやイヤホンを付けて通話すると、捕まってしまうのではないか」と懸念する声も上がっている。

 「ヘッドセットやイヤホンを付けて運転すると、取り締まり対象になるのか、ヘッドセットでの通話が事故に直結した場合が対象なのか──の解釈が難しい」と、ある周辺機器メーカーは話す。このメーカーは安全策をとって、ヘッドセットを車内通話用途としては特にアピールしないことにした。

 11月初旬にコンシューマー向けヘッドセットを市場投入するプラントロニクスは、運転中のヘッドセットやイヤホン利用について遵守事項が定められている12都県の県警から情報を集めたという。「われわれが問い合わせた限りでは“車内でのヘッドセット利用は禁止”という地域はなかった」(プラントロニクス社長の村田浩志氏)。これを受けて同社は、車内利用も前提に製品を販売するが、「遵守事項はいつ改正・追加されるか分からない。利用にあたっては安全な運転を心がけるとともに、(遵守事項について)各都道府県に問い合わせてほしい──という文言を、製品に添付することも考えている」(村田氏)と、慎重な姿勢だ。

 車内でのヘッドセット利用について遵守事項があることが分かっているのは、群馬県、長野県、福岡県、熊本県、高知県、愛媛県、香川県、島根県、滋賀県、山梨県、東京都、鳥取県(プラントロニクスの調査より)

 Bluetooth携帯を販売している携帯キャリアも、車内の通話用途としてのヘッドセット利用は一切勧めていない。「ヘッドセットは検針などの業務用途で提案している」(KDDI)。そもそも携帯キャリアは「例えBluetoothのハンズフリーキットであっても、(走行中の通話は)何が起こるか分からない。車を止めて使ってください」(ドコモ)、「運転中は交通事故の原因となるので通話やメールはしないでください」(ボーダフォン)、「通話やメールは車を止めて行ってください。運転中は留守電モードなどを使ってほしい」(KDDI)というスタンス。走行中は通話やメールも止めてほしいのが本音だ。

 警視庁に、この遵守事項の解釈について聞くと「イヤホンやヘッドセットを使う場合、緊急自動車や消防車のサイレン、踏切の警報、車のクラクションなど、安全運転に必要な情報音が聞こえない状態で運転してはいけない──という意図」(警視庁広報)だとコメント。「運転中に付けていたからといって、即、取り締まるわけではない」(同)としている。ただし「“付けて通話を行う”行為が、危険な運転につながった場合には、取り締まり対象になる」(同)というから、使うにしても注意が必要だ。

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