ドコモが歩んできた高速化、フルIP化の道のり:ワイヤレスジャパン2005

» 2005年07月13日 22時58分 公開
[新崎幸夫,ITmedia]

 携帯業界全体が、高速化、IP化に向けて動いている。もちろんシェアトップのドコモもこの点は抜かりがない。ネットワークのオールIP化を推進しており、さらにインフラ増強を進める。

 13日の「ワイヤレスジャパン2005」講演では、ドコモの代表取締役副社長の石川國雄氏が同社のインフラ増強の歩みを振り返った。

Photo ドコモの石川副社長

パケット利用量は50倍に

 WiMAXが注目を集めるなど、昨今の携帯は高速データ通信がトレンドになっている。石川氏はドコモとして、この分野には早期に取り組んできたと強調する。「データ通信の伸びを見込んで、いち早く高速、大容量にとやってきた」

 FOMAは現在、1ユーザーあたりの1日あたりの通信量が5000パケットを超えていると石川氏。定額制ユーザーも入れた平均値とはいえ、相当に多いと紹介する。

 「1999年2月に、PDCでiモードを始めたときの1人あたりのパケット利用量は、1日平均100パケットだった。50倍になっている」

 5年後、10年後はこのデータ通信がますます広がるだろうと石川氏は分析する。ただ通信量が50倍になったからといって、料金を50倍にはできないため、定額、低料金化が課題になるという。

エリア展開には苦労も

 FOMAのネットワークを展開していく上では、苦労もあった。そもそも初期のFOMAは、通話エリアが狭いことが問題視された。

 石川氏は同社がこれまで、FOMAの技術にかけた研究開発費は4000億円にのぼると紹介する。設備投資費用となるとさらに多く、1兆4000億円に上る。

 もちろん、そこで得たものも大きい。石川氏は「その過程で獲得した知的財産があるほか、データチューニングなどでノウハウも貯まっている」と自信を見せる。

 ドコモはここで満足せず、さらなる設備の増強に動いている。具体的には、2006年3月までに屋外基地局数を2005年3月の1万6200から2万3600に増やすほか、インフラのIP化を推進する。既にコアネットワークでIPルータ網を構築しているほか(*)さらに基地局装置、基地局制御装置もIP化するという。基幹網の光化も2005年度内に100%完了する見込みだ。

*初出時、「ネットワークのオールIP化が完成している」と記載しましたが、記事にもありますとおり基地局装置なども含めたオールIP化はまだ先の話になります。現実にはコアネットワークでIPルータ網が構築されている段階です。誤解を招く表現でした。お詫びして訂正いたします

 「パケットのデータ量が多いので、音声とパケットはネットワーク上で分離してある。よりパケットに適した、経済的なネットワークにしていく」

 同氏はまた、無線ネットワークで利用する帯域幅は2GHz帯であっても800MHz帯であっても、1.7GHz帯であっても同じことだと強調する。「通信インフラを自ら作っていくのがオペレータの義務。これは当然のことだ」。通信網の開放を求める新規参入事業者(7月13日の記事参照)への、けんせいともとれるコメントをした。

さらなる高速化へ

 ドコモは来年上期には、さらなる高速通信技術であるHSDPAを導入予定だ。100Mbpsの通信速度を実現するともいわれるスーパー3G、4Gへの研究も行っている。

 石川氏は実験上、高精細のテレビ映像を高速で走っている車内で受信できる――ぐらいのところまで4Gの開発はきているのだと明かす。

 「130Mbpsぐらい出ている。ただ、『技術は確立したではないか』と商用化に移行しようとすると『待ってくれ、端末はこれ1台だ』ということになる」と話す。現在は、通信技術を普及機に落としこんでいる最中なのだとした。

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